福岡県との県境にある荒尾市に残る石橋を紹介します。
岩本(いわもと)橋 橋長:32m 橋幅:4m 径間:12.5mと12.6m 架設:文久3年(1863) 熊本県指定重要文化財(S40) 石工は橋本勘五郎だと推定されているが、確かではない。肥後の石橋の中でも、美しい石橋の1つで、保存状態も良い。周辺地域は公園化されており、駐車場や野菜直売場なども。家族連れなどが弁当を広げたり、散歩を楽しむ姿も。江戸時代、三池往還の肥後と筑後の藩境にあたり、藩関所が置かれた交通の要衝であった。 架橋については、安政5年とか明治等諸説があったが、上塚尚孝先生が平成12年5月、「永青文庫」の「町在」複製本に目を当されていたとき、荒尾手永の会所役人・前川十左衛門の功績の中に「一 上井手村岩本口下川筋、土橋ニ而増水度二打流頻々懸方仕申候処、文久3年6月依願目鑑橋ニ懸替被成御免候処。十左衛門初発より場所見据江、積方等主ニ成、御普請中始末相詰(以下略)」と記録されているのを発見された。この記録より、土橋を目鑑橋に架け替えたことが明白となった。石材は永田日出男さん(熊本市)の調査によれば大牟田檪野(いちの)産の檪野石だそうだ。(2000/11/16 追記) |
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中央橋脚の下流部分の水切り 川幅が広く、岸が低いところから1つのアーチでは高さが高くなる2連アーチとしたり、流れから橋脚を保護するため、中央橋脚の上流部と下流部に水切りが。 |
以上、岩本橋は1999/04/29撮影、以下、十蓮寺と八幡橋は2004/02/01撮影
十蓮寺(じゅうれんじ)橋 荒尾市小路 橋長:約5m 橋幅:約2.5m 県道29号線を南関方面に向かう途中、宿交差点から1km程進んで右折約500m。全面がコンクリートで覆われており、石橋とは分からない。宿交差点を左折すれば、2km程で岩本橋、右折すれば八幡橋方面へ。 |
八幡(やはた)橋 荒尾市野原 橋長:5m 橋幅:4.2m 国道208号線を玉名方面に進み、長洲からの県道46号線に左折(東進)約500m。明治44年架橋の比較的新しい橋だが、一世紀近く経った現在でも、交通量も多い現役の石橋。そのまま進めば、岩本橋方面へ。 |
最終更新:2004/02/02
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