荒尾市内に残る岩本橋を紹介します。
2002/08/30、台風15号が近づく中、大牟田の早鐘眼鏡橋に行った帰りに立ち寄る。荒尾の石橋へ
橋長:32m 橋幅: 4m 径間:12.5mと12.6m
架設:文久3年(1863) 熊本県指定重要文化財(S40)
石工は橋本勘五郎だと推定されているが、確かではない。肥後の石橋の中でも、美しい石橋の1つで、保存状態も良い。周辺地域は公園化されており、駐車場や野菜直売場なども。家族連れなどが弁当を広げたり、散歩を楽しむ姿も。江戸時代、三池往還の肥後と筑後の藩境にあたり、藩関所が置かれた交通の要衝であった。
架橋については、安政5年とか明治等諸説があったが、上塚尚孝先生が平成12年5月、「永青文庫」の「町在」複製本に目を当されていたとき、荒尾手永の会所役人・前川十左衛門の功績の中に「一 上井手村岩本口下川筋、土橋ニ而増水度二打流頻々懸方仕申候処、文久3年6月依願目鑑橋ニ懸替被成御免候処。十左衛門初発より場所見据江、積方等主ニ成、御普請中始末相詰(以下略)」と記録されているのを発見された。この記録より、土橋を目鑑橋に架け替えたことが明白となった。石材は永田日出男氏(熊本市)の調査によれば大牟田檪野(いちの)産の檪野石だそうです。
左図は、荒尾市内に現存する3基の石橋(岩本、十蓮寺、八幡)の大まかな位置を示しています。八幡橋から十禅寺橋を経由して岩本橋に抜けるコースは江戸時代の旧道「三池往還」で、宿場町「府本」などを中心に古い家並みも残っています。(最終更新:2004/06/13)
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