ヒガンバナ育苗(発芽)日記

秋の訪れを告げるヒガンバナ(彼岸花)

熊本国府高等学校PC同好会


 
2004年10月~
本校のヒガンバナのページ

 ごく稀に実を結ぶ二倍体のヒガンバナも存在するそうですが、未だ出会ったことはありません。栗田先生の「ヒガンバナの博物誌(研成社)」に、二倍体は三倍体より早咲きとありました。ひと月ほど早く開花するヒガンバナを見つければ、種子を見つけることができそうですね。同書によれば、東京大学総合研究博物館の標本庫に下益城郡中央町堅志田で昭和30年10月8日採集の標本があったが、肝心の種子は今は存在しないとのこと。(夏休み中に中央町に出かけたり、役場にも問い合わせましたが、残念ながらまだ見つけることは・・・、ご存知の方がおられたら、お教えいただければ幸いです)

コヒガンバナの種子と書いていましたところ、閲覧者の方から「我が家の庭に植えてある彼岸花三本に種がつきます。やはり1ヶ月ほど早く咲きます、何時蒔いたらいいのか調べていたらこのページを見つけました。今年取れた種が10粒ほどありますので,もし必要なら参考に送ってあげます」とのメールが届き、送っていただくことに。その後、様々な方からの種の()き方や育て方のアドバイスをいただき、校庭に植える事にしました。その育苗(発芽)日記をここにご紹介します。
2004年10月3日(日)
閲覧者の方より、貴重なヒガンバナの種(左下写真)を送って頂けるとのメール、楽しみに待っているところです。是非とも発芽を成功させたいと思いますので、種の蒔き時期や注意点等のアドバイス頂ければ幸いです、よろしくお願い致します。
2004年10月4日(月)
ヒガンバナの種が4日に到着しました、鎌倉の阿相様から宅配便で届きました。ありがとうございました。
2004年10月6日(水)
「ヒガンバナの種は、この時期(9~10月)に蒔くと発芽は来春。しかし、発芽しないものも。また、1年目に発芽しなくても、あきらめずに翌年まで待つこと。長期にわたるので水を切らせないこと。花が咲くまでには5~7年。」とのアドバイスを、堤様より頂きました。ありがとうございました。発芽させるのは難しそうですので、周囲にもいろいろアドバイスをいただくことに。「幾つかに分けて植える」「鉢植えがいい」「乾燥を防ぐために鉢を土に埋めたら」「温室の中がいいのでは」「土は赤玉土と腐葉土を2:1くらいに混ぜたもの」等々、様々なご指導をいただきました。
育苗場所の写真2004年10月16日(土)
植える場所がやっと決定、玄関近くのツツジの下。4つの植木鉢に蒔いて、鉢は土に埋める事にしました。園芸に詳しい本校の藤本先生のアドバイスに従い、植木鉢に赤土球(鹿沼土)を6割ほど入れ、腐葉土を3割ほど加え、そこに種を蒔き、更に赤土球をかぶせ、校庭のツツジの脇に穴を掘って埋めることに。ツツジによる日陰と、赤土球の保水力により、水を与える回数が少なくて済みそうです。
案内板も作成していただきました。案内板には
”「ヒガンバナの種」育苗中!
 種の採取:平成16年9月28日 採取場所:神奈川県鎌倉市 種まき日:平成16年10月16日
 日本のヒガンバナは結実しないので(日本にあるほとんどのヒガンバナの染色体は三倍体だから)、球根(りん茎)で増やします。しかし、ごく稀に(数万本?に1本ほど)実を結ぶ二倍体のヒガンバナも存在するそうです。二倍体は三倍体より早咲きのようです。ひと月ほど早く開花するヒガンバナを見つければ、種子を見つけることができるのではと、ここ数年県内を捜し続けていたのですが、残念ながら見つけることは出来ませんでした。
 先日、本校ホームページのヒガンバナのページを閲覧された鎌倉市の阿相様から送っていただいたのが、このヒガンバナの種です。貴重なものです。種を蒔いたら、早ければ来年の春、遅ければ再来年の春に芽を出すかも知れません。しかし、花が咲くまでは5~7年かかるとのことで、大事に育てたいと思っています。”
と紹介しています。
2005年5月27日(金)
この時期、ほとんどのヒガンバナの葉は枯れて、休眠期間となりました。発芽シーズンは終わったことでしょう。今年はダメだったのでしょう、秋に期待します。難しいんですね。
2005年6月29日(水)
昨年秋、ヒガンバナの種を送って頂いた阿相様より、球根が届きました。種が今年は発芽しなかったので、心配されて送っていただいたのでしょう。ありがとうございました。さっそく校庭に植えることに、うまく根付けば8月には開花し、9月には採種することができるかも知れません。なお、昨年12月には岡山県の小橋さんからも、2倍体の球根を送っていただいています。開花と採種の確率は更に大きくなり、再び種を蒔き、発芽への挑戦を続けることが出来ます。
2005年8月18日(水)
種も球根も、まだ芽が出ません。球根を植えた5箇所のうち少なくとも2ヶ所には除草剤がまかれたようだが、葉が無ければ影響ない除草剤だとのことだが。今年はダメだったのか・・・。
2005年8月26日(金)
開花したコヒガンバナの写真昨年秋に植えた2倍体の球根の1つが芽を伸ばしていることを、24日に発見。今朝は25cmほどに伸びています。遅すぎるので、3倍体の可能性もあると思ってここに書かず、開花情報に載せていましたが、球根を送っていただいた岡山の小橋様の庭でも、今芽が伸びたとのことで、コヒガンバナと確信できました。月末までには開花か。まだ1本だけですが、他のも芽を出してくれたらと期待します。無事に開花して種を付けてくれることを祈るだけ。
2005年8月31日(水)
昨日、コヒガンバナの1本が開花(6花のうち3花)したが、右上の写真(9月1日撮影)のように完全に開花。今のところ、この1本以外には芽が出る気配はないようだ。
2005年9月10日(土)
その後、もう1本が開花。台風の影響もなく、無事に花も終わり、後は結実が楽しみ。
2005年9月15日(木)
更にもう1本開花、今度は6月に送って頂いた球根ですが、茎長約15cm。なお、最初に開花したコヒガンバナですが、5つの花のうち、種子が大きくなっているのは1個だけ、他はこれから大きくなるのでしょうか。もちろん1個だけでも結実すれば満足ですが、多いに越したことありません。
本校で採取した種子の写真2005年10月11日(火)
これまでに2倍体の球根4本が開花しましたが、その3本にそれぞれ、1個、2個、3個の種ができているのではと予想されますが、何となく粒の大きさが小さいようです。もっと大きくなるかと待ってはいるのですが、今年は期待できないかも知れません。思った以上に難しいものですね。今後の対策を検討しなければ・・・。
2005年10月17日(月)
2粒だけ(右上の写真)だが、本校として初めて真っ黒い種が採取できた。3個の種が出来ているのではないかと予想していた株の3個のうち1個から「2個」の種子が弾け出ていました。よって、うまくいけば更に4個は期待できそうです。しかし、高々2~6個の種子では、発芽成功への道は険しいものがあります。しかし、種子が採取できただけでも大きな一歩かと思っています。
2005年10月29日(土)
今年採取できた種5個を鉢に蒔いたが、そのうちの2個は乾燥していたようで、期待できないかも知れません。ビニール袋に入れていたので大丈夫かと思ったのですが・・・。今年は種が少なかったのですが、今年は花が咲かなかった株にも、葉が次々と育っており、来年はもっと開花するかと期待しています。なお「中庭の芝生に咲いたヒガンバナに種が付いていた!」との情報(種は探したが見つからず)も。その跡には葉が伸びているのですが、そこに2倍体のヒガンバナを植えた記憶はありません。自然に育ったコヒガンバナなのでしょうか。これまた、来年の楽しみです。
2006年9月12日(火)
校庭のコヒガンバナは2本だけ開花、他に開花の気配はなさそう。花は終わったが種子は1個だけのようです。昨秋開花したコヒガンバナの葉、何となく小さいというか、ひ弱な雰囲気。養分が足らなかったのでしょうか。昨秋開花したコヒガンバナは全て今年は開花しないようです。今年開花したコヒガンバナも種子は1個だけ、養分不足なのでしょうか。今年は肥料をやってみようかと。コヒガンバナの発芽、難しいものだと今初めて知ったところです。
2007年1月17日(水)
下の写真のように校庭に植えているコヒガンバナの葉っぱはどれも少ない。下のヒガンバナの写真(2007/01/16撮影)と比較すれば一目瞭然。光合成で充分な養分を蓄えることができず「花が咲かなかったり、咲いても種子ができない(少ない)」という原因なのでしょうか。土が合わないのか、それともコヒガンバナは繁殖力が小さいのだろうか?
コヒガンバナの葉 ヒガンバナの葉
コヒガンバナ ヒガンバナ
2007年10月29日(月)
東京都練馬区からコヒガンバナの種を送っていただきました。これまで校庭では失敗の連続で、今度は園芸を趣味にされているお2人の先生にお願いすることにしました。校庭にも6粒を育てることにしたが、場所選定に苦労、3粒を校庭に直播き、3粒は鉢に。ところで、校庭のコヒガンバナ、今年は8月中旬と9月はじめに計4本開花したのですが、採種できたのはわずか1個だけでした。
2008年9月3日(水)
昨日、東京都練馬区から、コヒガンバナの開花情報と写真を送っていただきました。昨年、500個ほどの種子を蒔いたが発芽しなかった(半分近くは彼岸花エリアに蒔いたので発芽の確認不可能)とのこと。発芽率は低いんですね。本校で未だ発芽に成功していないのも納得。今後も気長に挑戦すべきかと。
2008年10月3日(金)
発芽した2鉢の写真(2008/10/03)クリックすると拡大写真本校元教頭の伊佐先生から「平成17年に預かった彼岸花の種子からやっと発芽しました。2鉢に播種しましたものが写真のように発芽しました。もうだめかと思っていました。」とのメールと写真が届きました。本校でコヒガンバナの種からの育苗に挑戦して5年目、始めての発芽です。2004年から挑戦していたのですが、なかなか発芽に成功せず、昨秋園芸に詳しい伊佐先生にお願いしていたものです。蒔いた年でなく、1年後の発芽、長期間にわたる水やり等、いかに管理が大変だったかと察しられます。ありがとうございました。これまで、全国各地からヒガンバナの種子を送っていただいた多くの皆さまのご好意にやっと応えることができつつあります。発芽の次はいよいよ「育苗」。本ページ、5年目でやっと「育苗日記」になったのかな!開花は更に数年先でしょうが、一歩前進。楽しみに待ちたいものです。植物を育てるには根気、辛抱強さが大切なのですね。
2008年10月5日(日)
2008/10/08撮影、クリックすると拡大写真が。マウスオン写真は21日撮影の別の鉢。「鉢の土は赤玉とバーミキュライトの混合(保水性と通気性)を使用、種子を乾燥させないことを第一に考えた。まさに試行錯誤、冬は霜にあたらないように鉢台の下に、夏は乾燥しないように木陰に等々」先日、ヒガンバナの種子の発芽に成功した伊佐先生に伺って参りました。やはり、これまでの失敗の原因は水管理だったようです。一鉢いただいて参りましたので、時々の状況を今後ここに報告致します。しかし、うまく育てることができるか不安も・・・
バーミキュライト:水はけ、水もち、肥料もち、通気性に優れ、挿し木に用いる土
赤玉土:粘土質の火山灰土、砕いて粒状にしたものは保水性と通気性がよい
2008年10月21日(火)
別の鉢のコヒガンバナの種が発芽、1cmほどの小さな葉(幅3mmほど)が伸びていたのを発見(右上のマウスオン写真)。しかしこの鉢は、夏の間余り水をやってなく、つい10日ほど前から水をやり始めた鉢です。ということは、コヒガンバナの種子は乾燥にもある程度強いということか?発芽時期の秋に水を切らさないだけでいいのでしょうか?(その後、もう一個発芽!)
2008年10月26日(日)
今年の本校のコヒガンバナからは種子を得ることができなかったが、昨年に引き続き練馬区から送っていただいた種子を蒔きました。今回は鉢と直播の両方、直播については水遣りを頻繁にできる場所だけでなく、天候任せ等、様々なパターンを設定しましたが、どんな結果になるか、楽しみです。
2009年9月23日(水)
本校のコヒガンバナ,最初の1本は8月初旬に開花したのですが,他の4本は何と9月20日過ぎに開花,ヒガンバナとほぼ同時,今年の特異な気象(高温・少雨)のせいでしょうか。ところで最初の1本からは採種できませんでした,今度こそと期待しています。
2009年9月29日(火)
昨年発芽したコヒガンバナが葉を伸ばし始めました。まだ数ミリ程度ですが,今年も芽を出してくれたことで安心。しかし,開花までには後3~4年以上,気長に・・・。
2009年11月5日(木)校庭で発芽したコヒガンバナ
本校玄関横に置いた4つの植木鉢に計9本の葉が(右写真)。落ち葉や雑草に隠れて気付くのが遅れました。10月中に発芽したのでしょうか,昨年蒔いた種でしょうか。校外では昨年発芽していますが,校内では初めてです。発芽に挑戦して6年,うれしいものです。タップリと光を浴び,開花に必要な養分を蓄えて欲しい。そして結実を期待しています。「新たな種子から新たな品種が生まれるかも知れない!」と考えると楽しいですね。
ところで,校門のコヒガンバナから種3個を採種,今度は鉢ではなく,地面に直接蒔いてみました。(昨年,校外の空き地の湿気がある日陰に無造作に蒔いた種が発芽したのて,今度は湿気がない場所にと。これまでは構い過ぎていたかと反省をこめて,様々な条件下で実験)
2009年11月12日
伊佐先生より「自宅の庭の彼岸花から種子が採れた。初めてのこと!」との写真(左下,4日撮影)添付メールが届き(9日)ました。コヒガンバナでなく,自然のヒガンバナからなら大変珍しいことです。昨年発芽したコヒガンバナの写真(右下,9日撮影)も頂きましたので紹介します。
伊佐先生が採種したヒガンバナの種子(11/4撮影) 伊佐先生の庭で育つコヒガンバナ(11/9撮影)
2010年3月22日
昨秋発芽した本校玄関横の植木鉢の9本も順調に育っています。一昨年発芽した校外のコヒガンバナですが,大きい鉢(20cm,6株)では4~6本の葉があるが,小さい鉢(10cm,2株)は2~3本です。鉢は大きいほうが好いようです。葉が枯れたら小さい蜂は植え替えねば。
 
校内のヒガンバナ栽培地図(彼岸花の場所には赤以外に白や黄も)
 
四季の花  校庭の花
過去の開花情報: 14年 15年 16年 17年 18年 19年 今年
ヒガンバナの別名 彼岸花の写真 ヒガンバナ ヒガンバナよもやま