ヒガンバナの詩歌

ヒガンバナ(彼岸花)の詩や歌


 
最新のヒガンバナ開花情報ここをクリック
 

 
万葉集(奈良時代の歌集)にある柿本人麻呂の歌
路の辺の壱師いちしの花のいちしろく 人皆知りぬわが恋妻こいづま
   「道端に燃えるように咲いているヒガンバナ(?)のような
    激しい恋に燃えた私の妻のことが遂に世間の人に知れてしまった・・・」

 この「壱師の花」が「ヒガンバナ」とのこと。これが記録としての最も古いヒガンバナの登場らしい。ただ、これがヒガンバナのことかどうかは、ヒガンバナの渡来時期とともに様々な説が・・・。万葉集に壱師の花が登場するのはこの一首だけとのこと。ひと際目立つヒガンバナがわずか一首だけとは不思議。壱師がヒガンバナという説に疑問も。本当のことは人麻呂さんにお聞きしなければ分からないのでしょうか。
 

北原白秋「思ひ出」(明治44年)より「曼珠沙華」
GONSHAN.ゴンシャン. GONSHAN..何処へゆく
赤い
御墓おはか曼珠沙華ひがんばな
曼珠沙華、
けふも手折りに来たわいな。

GONSHAN. GONSHAN. 何本か。
地には七本、血のやうに、
血のやうに、
ちやうど、あの児の年の
かず

GONSHAN. GONSHAN.気をつけな。
ひとつ
んでも、日は真昼、
日は真昼、
ひとつあとからまたひらく。

GONSHAN. GONSHAN. 何故なし泣くろ。
何時いつまで取っても、曼珠沙華、
曼珠沙華、
こはや赤しや、まだ七つ。
 「曼珠沙華」に「ひがんばな」とふりがな。その理由は? 単に口調がいいからか。それにしても、詩や歌に出てくるヒガンバナは「曼珠沙華」が多いのは何故でしょうか。なお、「ゴンシャン」とは柳川の方言で「良家のお嬢さん」のこと。
 
 
夏目漱石の俳句
曼珠沙華まんじゅしゃげあつけらかんと道の端
 
 
種田山頭火の俳句
曼珠沙華まんじゅしゃげ咲いて ここが私の寝るところ

いつまで生きる 曼珠沙華まんじゅしゃげ咲きだした

歩きつづける 彼岸花咲きつづける

なかなか死ねない 彼岸花さく
 山頭火のヒガンバナの俳句は多い。
 
 
中村汀女の俳句
曼珠沙華まんじゅしゃげ 抱くほどとれど母恋し

父若く 我いとけなく曼珠沙華まんじゅしゃげ
 汀女さんの句にはご両親やふるさとを詠んだものが多い、曼珠沙華に想いを寄せて。
 
 
梅木三郎作詞、佐々木俊一作曲の流行歌「長崎物語」(昭和14年)一番
赤い花なら 曼珠沙華まんじゅしゃげ

阿蘭陀オランダ 屋敷に 雨が降る

濡れて泣いてる じゃがたらお春

未練な出船の ああ鐘が鳴る

ララ鐘が鳴る
 江戸のはじめ、混血ゆえに日本から追放され、14歳でジャカルタに渡った少女の悲しい思いを歌っています。
  
 
山口百恵の「曼珠沙華」(昭和54年)作詞:阿木耀子、作曲:宇崎竜童
著作権の関係で、歌詞は紹介できません。
 ここでは「曼珠沙華」を「マンジューシャカ」と歌っています。これも口調の関係でしょうか。梵語(サンスクリット語)では「マンジュサカ」、発音が近いですね。
 
 
「みなまたまなみ」様の俳句(平成14年)
あぜを行く 人振り返る 曼珠沙華まんじゅしゃげ
 以前、メールで送っていただいたものです。よろしければ、皆さんの作品も送っていただきませんか、ここで紹介させてください。詩歌や絵でも構いません。
 
三藤様からいただいた南阿蘇のヒガンバナ
大空と 雲と稲穂と ヒガンバナ
 こんなのでいいのかな?私も挑戦してみました。ところで,本ページで紹介した俳句や詩歌の大半が「曼珠沙華」。そこでマンジュシャゲでなく,ヒガンバナと。いい俳句とは思えませんが・・・。2009/10/06

 本ページは以前に作成されていたものです。ヒガンバナの詩歌、もっとあるかと、作成途中だったのでしょうか。今春の第1パソコン教室更新の際、PC同好会が利用していた旧パソコンのHDから見つけたファイルに追加したものです。今後も、追加・更新していく予定ですが、まずはここに発信させていただきます。2008/10/31

最終更新:2009/10/06


 
熊本良かとこ 四季の花 ヒガンバナ ヒガンバナよもやま 育苗日記
ヒガンバナ開花情報 自然と文化 別名一覧 彼岸花の写真 前のページへ