「愛蓮説」


 次の文章は、中国は宋時代の儒学者「周 茂叔しゅう もしゅく(1017-1073) 茂叔は字、名は敦頤とんい」の「愛蓮説」です。本校で開催(平成16年7月10日)された大賀ハスを愛でる会において、書家で漢詩研究家の谷根先生がご紹介されたものです。ハスの花を扱った詩や文章は多いが、ハスの花を主題としたものは少ないとのことで、ここに紹介させていただきます。少ない文字で「蓮は花中の君子」と称える名文。なおページ作成の都合上、横書きの上、勝手に新字体を使った部分もあることをお断りしておきます。なお、「泉石」は谷根先生の号です。


 
      愛 蓮 説    宋 周 茂 叔
水陸艸木之花、可愛者甚蕃。晋陶淵明獨愛菊。自李
     唐來、世人甚愛牡丹。予獨愛蓮之出淤泥而不染、濯   
清漣而不妖、中通外直、不蔓不枝、香遠益清、亭亭浄
植、可遠観而不可褻翫焉。予謂、菊花之隠逸者也、牡
丹花之富貴者也、蓮花之君子者也。噫、菊之愛、陶後
鮮有聞。蓮之愛、同予者何人、牡丹之愛、宣乎衆矣。
甲申七月上浣寄大賀蓮観賞会而録宋之周茂叔愛蓮説
         此君山房主 泉石山人

 
水陸草木の花、愛す可き者甚だ蕃し。晋の陶淵明は独り菊を愛せり。李唐自り来、世人甚だ牡丹を愛す。予は独り蓮の淤泥より出づるも染まらず、清漣に濯はるるも妖ならず、中通じ外直く、蔓せず枝せず、香遠くして益々清(あお)く、亭亭として浄く植(た)ち、遠観す可くして褻翫(せつがん)す可からざるを愛す。予謂らく「菊は花の隠逸なる者なり、牡丹は花の富貴なる者なり、蓮は花の君子たる者なり」と。噫、菊を之愛するは陶の後聞く有る鮮し。蓮を之愛する、予に同じき者何人ぞ、牡丹を之愛するは、宜なるかな衆きこと。
 

 以下、縦書きを試みましたが、ご使用のブラウザによっては対応しないものもあるかと思います。

 愛蓮説  宋 周茂叔
水陸艸木之花、可愛者甚蕃。晋陶淵明獨愛菊。自李唐來、世人甚愛牡丹。予獨愛蓮之出淤泥而不染、濯清漣而不妖、中通外直、不蔓不枝、香遠益清、亭亭浄植、可遠観而不可褻翫焉。予謂、菊花之隠逸者也、牡丹花之富貴者也、蓮花之君子者也。噫、菊之愛陶後鮮有聞。蓮之愛、同予者何人、牡丹之愛、宣乎衆矣。
 
甲申七月上浣寄大賀蓮観賞会而録宋之周茂叔愛蓮説
     此君山房主 泉石山人
 
 
 
谷根先生の書「愛蓮説」
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最終更新:2008/06/21

<制作>熊本国府高等学校パソコン同好会


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