希望をもちチャレンジ
    才能の花を開こう (平成15年度)

校長 星子孝之


県総体3競技で優勝
 県下高等学校最大の行事である本年度の県高等学校総合体育大会(県総体)、県高等学校総合文化祭(県総文)は、本校に大きな収穫と感動を与え無事終了した。
 まず、県総体、総合開会式における本校の入場行進は堂堂としたもの、その様子が極めて立派であったと、本校は、第一、熊本西、熊本工業、尚絅など13校と共に入場行進優良校に選ばれ幸先のよいスタートとなった。
 競技は、本校から12種目16競技に参加、その結果は、バスケットボール女子が7連覇8回目の優勝、ソフトボール女子が4年振り20回目の優勝、同じくハンドボール女子も4年振り22回目の優勝、バスケットボール男子は惜しくも準優勝、陸上競技は、5千メートル男子、ハンマー投げ男子、砲丸投げ女子など4名の選手が6位以内に入賞し、全国総体をかけ南九州大会に出場することになった。
 県総体で3本の優勝旗を獲得し帰校できたが、今回、優勝3競技以上の学校は、本校以外では九州学院、東海第二、熊本西の3校であり、本校部活動のレベルの高さを示しており、これも平素の厳しい練習の成果であると思った。

 県総文は、「くまもと青春図鑑第15版」を標語に開催、本校からはバトントワリング、吟詠剣詩舞、演劇が出演した。バトントワリング、吟詠剣詩舞は平素の努力が評価され、さらに全国総文祭に出場することになった。
 今回、最も印象に残ったのは、ハンドボール女子の決勝戦であった。この春の全国選抜4強のチームと対戦、一時6点の差をつけられたが、残り時間3秒で同点に追いつき、18対18で試合時間終了、そして全力を尽くした延長戦、更に再延長戦を展開、しかし、両者勝負譲らず23対23、その後7メートルスロー戦で2対1、渾身をこめた試合はようやく終止符が打たれ勝利を掴む。選手の目に、厳しい試合を勝ち抜いてきた貴い美しい涙を見て感動した。

 県総体、県総文を通じ多くのことを学んだが、特に、希望を持ってチャレンジしていくことの大切さを強く感じた。
 明治39年、夏目漱石は、森田草平に宛てた手紙の中で「すべてやり遂げてみないと、自分の頭の中にはどれ位のものがあるか、自分にも分からない」とのべている。才人漱石でも、やって見なければ分からないのである。まして凡人は言うまでもない。
 「自分は頭が悪い」、「自分は才能がない」、「自分にはそんなこと出来るはずがない」などと思い込んでいる人は、難しい壁にぶつかると早々に諦めて努力を放棄してしまう。自分に与えられている天賦の才能に気がつかず、才能の芽を摘み、才能を抑え、自分の将来をふさいでしまうことは不幸なことである。
 未知に立ち向かいチャレンジする中から、自分の才能を知り、その才能を育て伸ばすことが出来ることを忘れてはならない。

新教育課程スタート
 さて、今年度から新しい学習指導要領(平成11年3月29日告示)に基づく教育課程が1年生からスタートした。
 「総合的な学習の時間」とともに新設教科「情報」を必修として導入し、更に、普通科に基礎基本を重視し発展的学習を目指した学校設定科目「総合数学」、「生涯体育」を設けて学習の進化を図ることにした。

国の教育改革の動き
 ところで、国は教育を根本から見直し、新時代にふさわしく再構築しようとしている。そのような動きの中で、今年の3月、中央教育審議会は、「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画のあり方」について答申した。
 答申は「21世紀を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成」を目指して「新しい時代の大きな変化の潮流を踏まえ」現行教育基本法の普遍的理念は大切にし、かつ今後重視すべき理念を明確にして基本法を改正すべきであると述べている。
 新たな理念としては「社会の形成に主体的に参画する『公共』の精神、道徳心、自律心の涵養」など八項目を示している。
 これらの基本理念を実現するため「教育振興基本計画」を策定する必要があるとし、「私立学校における独自の建学の精神に基づく特色ある教育と多様な教育研究の振興を図る」など四三の具体的政策目標を示している。 
 国が、この答申をどのように具体化していくか、今後その動向を注目していきたい。

平成15年7月

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