本年度インターンシップ導入(平成11年)

伝統の実学重視教育

校長 星子孝之


 前年度は、男女共学第2ラウンド前期と位置づけしてスタートしたが、一年を振り返り、各分野で大きな成果を上げ得たと考えている。

 本校が男子に門戸を開いたのは平成7年度、その年度の男子志願者数は509名であり、志願者全体の29.1%であった。その後、男子志願者の数は着実に伸び、本年度は平成7年度の2倍、1056名(志願者全体の47.7%)が志願した。また、男女合わせた志願者数は2212名、近年では最も多い数となった。

 本年度の生徒在籍数は1522名、うち男子生徒は全生徒の48.4%、736名である。従来の女子生徒の活躍に加えて、男子生徒の部活動、サッカー、バスケットボール、ハンドボール、陸上競技などの活躍も目覚ましいものがあり、本枚は名実ともに男女共学校として波に乗ってきた観がある。

 さて、高等学校の新しい学習指導要領が本年の3月29日に告示された。

 まず、その総則の冒頭に「各学校において、生徒に生きる力をはぐくむことを目指し、創意工夫を生かし特色ある教育活動を展開する中で、自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに、基礎的・基本的な内容の確実な定着を図り、個性を生かす教育の充実に努めなければならない」として、教育課程が目指す基本的考えを示している。

 そして教育課程は、従来の各教科・科目、特別活動に加えて、「総合的な学習の時間」をもって構成することとしている。

「総合的な学習の時間」は、自ら学び自ら考える力など「生きる力」をはぐくむ改訂の主旨を実現する役割を担って生まれたものであり、体験的学習や問題解決的学習などが期待されている。

 各教科、科目の構成は、普通教科として「情報」、専門教科として「情報」と「福祉」が新設された。

 特別活動は、部活動との関連からクラブ活動がなくなり、ホームルーム活動、生徒会活動、学校行事となった。

 週当たり標準授業時数は、現行の32単位時間から30単位時間に縮減、また、卒業までに修得させる総単位数も、現行の80単位以上から74単位以上に改められた。いずれも完全学校週5日制を視野に入れてのことである。

 この新しい学習指導要領は、平成15年度から学年進行で適用されるが、平成14年度から完全学校週5日制が実施されることを考慮し、平成12年度から移行措置が取られることとなっている。

 本校では、今年4月、新しい教育課程編成のため、教育課程委員会を発足させ、本校の実態、社会の変化に応じた特色ある教育課程を編成するため鋭意検討中である。

 今回の学習指導要領に、いま一つ注目すべきことがある。それはインターンシップ(就業体験)である。インターンシップは、生徒が産業や職業の現場を体験することにより、職業観、勤労観を育成し、自らのあり方生き方を体得するために行われるものであり、体験は修得単位として認定することができる。

 家庭生活や社会生活の変化を思うと、インターンシップは極めて有効な教育手段と考える。

 本校は、これまで長く専門高校として発展してきた。建学の精神は「真に役立つ人材」の育成であり、これまで脈々として実学を重視し教育を実施してきた。昭和30年代の大阪大丸百貨店実習、昭和40年代の医療保険請求事務講習、大阪センコー運輸実習など、そのことをよく物語っている。

 インターンシップについては、本校は他高校に先駆け、本年度から導入することとしている。すでに、鶴屋百貨店、九州産業交通、熊本ホテルキャッスルなど9社のご理解ご協力を得て、7月下旬を中心に1週間ほど実施予定である。参加する生徒諸君が、現場を体験し、多くのことを学び体得してほしいと期待している。

平成11年6月

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