地球温暖化と水 |
地球の平均気温は上昇している。地球の平均気温は過去100年で0.6度上昇、更に今後の100年で2度(5.8度という説も)上昇するという予想も。 ところで、熊本市の日平均気温(気象庁のデータ)の10年間の移動平均(年々の小さな変動を無視するため)をみると、1900年からの10年間の平均気温は15.3度だが、2007年までの10年間の平均気温は17.5度、100年で2.2度も上昇している、年率では0.02度。特に最近の10年では0.7度の上昇、年率にすれば0.07度、まさに急上昇。このことは右上のグラフを見れば一目瞭然。このペースで気温が上昇していけばどうなるのか。気温上昇にストップをかけることはできないのか。二酸化炭素などの温室効果ガスの削減が大きな課題である。
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温暖化が進めば地球の氷が融け、海面が上昇、大地が海の底に。気温上昇で農産物にも大きな影響が。明治の初めには北海道では米は作れなかった。しかし、22世紀には日本の大部分では暑すぎて米が作れず、北海道が米作地帯になるとの予想も。温暖化は、人間の生活から排出される温室効果ガスによって引き起こされる。その対策が地球規模で話し合われているのだが、各国の利害の対立で進展していない。地球全体ではまだ排出量は増え続けている。 |
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地球上の水は14億km3(1,385,984,000km3)、その97.5%が海水などの塩水、淡水はわずか2.5%。また淡水の70%は氷で、極地や高地にあり、大半の淡水は利用が難しい。人が利用可能な淡水はわずか0.01%に過ぎないという。 日本は食糧輸入大国、ということは水輸入大国でもあるということ。食糧の輸入は、水不足で困っている地域に、更なる負担を強いているのだ。なぜならば、小麦1トンを生産するのに必要な水は2000m3、大豆1トンでは2500m3、牛肉に至っては何と20700m3にも。身近な数で表すと,牛肉200gを生産するには水4000リットルが必要ということ。これらの食糧輸入に伴い、年間439億トン(農林水産省 農村振興局の試算「危機に直面する世界の水と食料生産」より)もの水を輸入していることになる。
これは、日本の生活用水(164億トン)の2.7倍もの量である(H10年)。「湯水のように使う」ということわざがあるように、水に恵まれているはずの日本が、水不足に悩んでいる地域から水を輸入している、それも「世界最大の水輸入国」という。大問題である。 |
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日本の河川は勾配が急で短い、降った雨は一気に海に流れてしまい、利用できる量が少ないとのこと。更には、季節的変動が大きく、梅雨や台風の増水期と渇水期がある。増水期に水を溜め込み、渇水期に補充するという利用法を考えることが必要となる。ダムや堰、水田の利用である。ダムや堰については、環境破壊等の問題で新設には限度があり、既存設備の有効活用である。今ある設備をできるだけ永く利用することだろう。水田は地下水の涵養域で、水を溜めるダムの役割もある。全国の水田(251.6万ha、H20、農林水産省資料)に10cmの水を張るだけで、市房ダム(熊本の球磨川上流のダム、貯水量3510万トン)71個分に相当する。しかし、農業人口の減少や休耕田などで水田の耕作面積も減っているのが実情。水田を増やすには米食の普及拡大が肝心か、問題は更に広がりそう。最近、熊本でも企業などが休耕田を借り上げ水を張って水田を涵養域やダムとして活用している事例も。全国の休耕田(推定50万ha?)に水を張るだけで、何と「市房ダム14個分!」になるという。更にそこで稲作をすれば、食料自給率の向上やCO2削減にもつながる! |
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制作:熊本国府高校PC同好会 |