熊本の水は大丈夫か?

今、地下水の汚染が進んでいる!

 

 ハイテク産業も大量の水を使用します。LSIなどのマイクロチップは細かい中に多量の情報を記憶処理します。よって、ごく小さなチリや不純物でも、命取りとなります。超クリーンルームと言われる工場の中で、何度も何度も薬品(トリクロロエチレン等)や純水(不純物を除去した水)で洗浄されます。熊本にはIC・LSI関連の工場が多く、ICランドなどとも形容されています。ここで使われている膨大な量の薬品や水の処理は大丈夫なのでしょうか。

 更に、ゴルフ場などの除草剤の問題があります。我が熊本にも至るところに、森林がはぎ取られ、芝生でおおわれたゴルフ場ができています。芝生の雑草を除去するために、様々な薬品が使われているようです。

 また、最近増えているのが、産業廃棄物処理場の問題です。ゴミの不法投棄を含め、ダイオキシンやPCB・鉛・ヒ素などをはじめとする多種多様な重金属・有機塩素系化合物等による汚染問題も深刻なものとなっています。


 
地下水汚染依然続く・環境庁測定 7年度、9物質が基準超過!
 環境庁は11月28日、平成7年度の地下水質測定結果を発表した。地域の全体的な地下水質の状況把握を目的とした概況調査(対象自治体1501、井戸数4357)では鉛、ヒ素、総水銀、四塩化炭素、1・1-ジクロロエチレン、シス-1・2-ジクロロエチレン、1・1・1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの9物質で評価基準を超える井戸がみられたほか、依然として地下水汚染が継続している状況がみられた。 このうち、超過率が高いものは、ヒ素1.8%,テトラクロロエチレン0.6%、トリクロロエチレン0.4%、シス-1・2-ジクロロエチレン0.2%など。(日本水道新聞1996年12月9日版より)
 
 
アシやタイワンナギなど水生植物は、
水の浄化に役立ちます。
ややもすれば邪魔物扱いされる植物ですが、
川や湖のためになっているんです!
下江津湖にて
 

 ハイテク産業もゴルフ場も廃棄物処理場も、進出の際は100%の安全を唱えていますが、それが裏切られた実例は至るところにあります。現実に、「熊本市内M電気の工場内の地下水から、発ガン性のあるトリクロロエチレンが、最高で基準値の9倍にあたる1リットルあたり0.28グラムが検出!(2001年2月16日朝日新聞より)」などの報道もあります。更には,私たちの生活排水や牧場・農場からの水質汚染もあると聞きます。
 特に汚染が山間部の地下水に至った場合、その影響が現れるのは、数十年から数百年後だと言われています。今、大丈夫だからと言っても安心はできません。

 現在、美味しい水を飲めるのは郷土の先人たちのお陰です。その水を次世代に引き継ぐことが、私たちの世代の義務であり、責任ではないでしょうか。知らぬでは済まされないことです! しっかりと見つめていきたいものです。

 
 くまもとの おいしい水を いつまでも
 健軍自衛隊通りの桜並木に紹介されていた(2009/03/25)健軍小学校の生徒さんの標語にありました。県民みんなの願いです。
 

 
 右の図は阿蘇を水源として熊本市を通り、有明海にそそいでいる白川流域における水の循環を大まかに表したものです。数値データも大まかなものです。

 阿蘇に降った雨は、そのまま白川に流れ出るもの、一旦地下水となって熊本平野で湧き出すものも。農・工業等の産業用水として、更には毎日の生活用水として、利用されたものもまた白川に。白川は有明海にそそいでいます。

 もし、今後汚染された水が次々と有明海に流れ込んでいくとしたら、有明海は?
 有明海だけではありません。世界中の海が汚れてしまったら、私たちが食べる魚はどうなるのでしょう。もちろん、海よりも先に川や山、田畑が汚染されてしまうことになります。
最終更新:2009/03/25

制作:熊本国府高校パソコン同好会


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