住みにくさが 人の世を作ったものは神でもなければ |
小天温泉の旅を描いた小説「草枕」の冒頭です。
実にリズミカルな言葉で、文庫本を持って歩いてみたくなる気分
金峰山からは小天温泉までは8km程、漱石が歩いた道を辿ってみましょう!
熊本市内から金峰山への道、最初に目にする漱石の句碑。漱石来熊100年を記念した新しいもので、鳥越の峠の茶屋の300mほど手前に。 「 「拙を守る」とは、漱石が好んだ言葉で、生き方の基本としたものという。世渡りが下手なことを自覚し、それをよしとし敢えて拙を曲げぬ愚直な生き方、俗世に媚びて利を追求する事を卑しとする心。現在、最も失われた考えでしょうか。 | ||
鳥越の峠は金峰山の登山ハイキングコースにあるため、訪れる人も多くみられます。この新しい峠の茶屋には付近でとれた農産加工物などが販売されており、また漱石関連の書籍類なども展示されています。 写真は、鳥越の茶屋を下って、追分けを過ぎた「草枕」ハイキングコースの案内です。 「家を出て | ||
「山道を登りながら、こう考えた。」 小説「草枕」の一節をつぶやきながら、ひんやりとした風を受けて石畳の旧道を歩くと、まさに漱石になった気分になります。 これまた、「草枕」の一節です。
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峠の茶屋跡(野出越え) 漱石が島崎(熊本市)から小天温泉(玉名市天水町)まで峠を越えて歩いた当時は、熊本市河内町の鳥越(とりごえ)と野出(のいで)の2カ所に茶屋があったようです。作品の舞台となったのは、この野出といわれています。しかし、もう茶屋はなく、駐車場と展望台、自然の景色と句碑があるだけ。「天草の後ろに寒き入り日かな」の句そのままの絶景です。 | ||
この付近から眺める景色が抜群です。東に阿蘇・西に雲仙・南に金峰山。有明の海が金色に光り、天草の島々に沈む夕陽・・・。四季それぞれの景色を見せてくれます。秋はまた、山頂から海岸まで一面に広がるミカン畑のオレンジ色の果実が実に印象的。(左の写真の山は金峰山)漱石も、草枕の旅で「降りやんで | ||
漱石館(那古井の宿) 小天温泉、漱石が明治30年の大晦日から数日の間滞在した部屋。その一室は当時のままに保存されているとのこと。ここは、当時の前田案山子(衆議院議員・自由民権運動家)の別邸とのこと。草枕で登場する「志保田家のヒゲの隠居」が案山子自身で、次女の | ||
漱石館の庭にある句碑に 「かんてらや ほかにも「温泉や水滑かに 漱石の俳句は、滑稽さの中にも人間味あふれる世界が表現されています。ハイキングの後、温泉でくつろぐのもいいもんです。温泉旅館「奈古井館」や丘の上にも「草枕温泉」という温泉センターが。(大人500円) | ||
「降りやんで 金峰山裏手に続くみかん畑を通って小天へ通じる県道1号線沿いにある句碑。旧県道1号線は海岸沿いで現在の国道501号線、草枕散歩道近くの見晴らし抜群の高台を通るのが新しい県道1号線。 |
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草枕温泉と前田家別邸の中間地点(400mほど)に草枕交流館(TEL0968-82-4511)があります。漱石や草枕,前田家に関する資料の展示やビデオ上映や詳しい説明も,入館料は無料です。 | ||
熊本市内からは,交通センターからバスで「荒尾橋」か「岳林寺」または「峠の茶屋」まで行って「小天温泉」までのハイキングはいかがですか。草枕温泉や奈古井館に宿泊するも,時間がなければ漱石とは違って帰りはバスということでも。帰りにバスを利用するのなら半日コースです。 |
<制作>熊本国府高等学校パソコン同好会