今、合成洗剤が危ない! |
合成洗剤の実態を知ろう! |
*1食物連鎖 | 生物同士の食べる、食べられる関係。
|
合成洗剤 |
約1ヶ月で20%しか分解しません |
石けん |
約1日で全部分解してしまいます |
「現在では大部分の合成洗剤が無リンとなっており、一部を除けば、富栄養化の問題は改善されています。」とメールで教えていただきました。(2005/02/04) 更に「合成洗剤の分解率に関してですが、この数値はおそらくハード型LAS(分岐アルキル)の数値だと思われます。現在水質汚染の観点からハード型LASの使用はされておらず、ほとんどがソフト型LAS(直鎖アルキル)になっており、生分解の改善がされております。ですので昔のように川や海の泡立ちもなくなっているのです。分解率も石鹸ほどではないですが同等レベルの物となっております。また、合成界面活性剤にも種類がたくさんあるため、「合成界面活性剤の分解率は0%」ということは出来ません。現在使われている合成界面活性剤はほとんどが生分解性のものに変わっております。」とのメールも届きました。(2006/06/12) |
---|
突然のメール失礼いたします。最近のエコブームで、合成洗剤の生分解率が気になって調べはじめていたら、 >合成洗剤:約1ヶ月で20%しか分解しません という記載を拝読いたしました。大手のメーカーに問い合わせをしても生分解率を教えてくれなかったので、このサイトを見て驚きました!ぜひ、約1ヶ月で20%しか分解しないとデーターはどこのものなのか、いつの情報なのか教えて下さい。(2008/01/31) 情報の出所ですが、発信したのは7年ほど前で、作成したのは当時の先輩方で、既に卒業されており連絡がつきません。申し訳ありませんが、今のところ出所は分かりません。調べてみます。(2008/01/31) 近い情報がありました。家庭科の資料集に「洗剤の環境への影響」という表(環境総合研究所「台所からの地球環境」きょうせい)に、「50%分解日数」の項目に、石鹸やASが「2日」、LASが「11日」などとありました。 さらに県立図書館で、(社)日本水環境学会編集、(株)ぎょうせい発行の「Q&A水環境と洗剤」に「河川水中での分解は、好気(*5参照)条件で50%一次分解に要する日数は、ASで0.5〜1.5日、LASで4〜11日、50%究極分解に要する日数は、ASで4〜11日、LASで8〜30日など。界面活性剤の種類や濃度や温度などの条件によって変化する。嫌気(*5参照)条件で最も分解性のよいASが95%究極分解するのに要した日数は105日」等々と。 結局「20%」の出所は分からなかったのですが、近い情報かと報告させていただきます。この程度なら分かっておられたかとも。私自身、合成洗剤や界面活性剤について調べたのは今回初めてで、勘違い等があればお許し下さい。(2008/02/01) 上の「02/01のメール」は勘違いしての応答でした。「約1ヶ月で20%しか分解しません」というのはLASでなく、上の「2006/06/12」のメールでもご指摘していただいているように、現在余り使用されていない界面活性剤「ABS(分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)」のデータです。「20%」を「残存率」と勘違いしていました。申し訳ありませんでした。(2008/02/04) 勘違い:2008/02/01の部分 「20%」は「分解率」なのに、「残存率(分解せずに残った割合)」と間違ったのが原因です。誤情報の発信はあってはならない事。そこで勘違いの部分もそのまま、私たち自身への戒めとして残しておきます。 |
*2富栄養化 | 栄養が豊富であるということですが、湖や沼、閉鎖性の海域で、リンや窒素などの栄養分が豊富になるとプランクトンなどが大量に発生し赤潮、水の華(淡水赤潮)(*4参照)などの被害をもたらす。 |
*3赤潮 | 沿岸や、内海でプランクトンが異常発生することで海水の色が変わる現象。これにより魚介類の大量死を起こす。赤褐色、褐色、緑褐色などがある。 |
*4水の華 (淡水赤潮) |
赤潮と同じ現象が湖や沼で起こること。 |
*5好気 (嫌気) |
好気とは酸素が充分にある状態、逆に酸素がほとんど無い状態を嫌気。酸素のある所で正常に生育する細菌を好気性細菌、酸素の存在する環境では生活不可能な細菌を嫌気性細菌。 |
・界面活性剤が発ガン物質と出会うと、相乗効果で発ガン率が高くなる |
・皮膚粘膜を溶かして皮膚障害(アレルギー・肌荒れ・湿疹・皮膚の抵抗力の低下など)が起こる |
・溶血作用、つまり赤血球を壊す作用がある(再生不良性貧血) |
・消化を妨げ、また食欲が減少する |
・肝臓や生殖器に悪影響を与える |
合成洗剤だけを悪者扱いしましたが、健康や環境に悪影響を与えるのは、合成洗剤だけとは限りません。他にもいろいろな原因があります。また、石鹸ならどれだけ使ってもいいのか、石鹸だって絶対とは言えません。良い悪いはあくまでも相対的なものです。更には、今まで安全だと言われていたものが、ある日突然、危険だと解る場合もあります。人間が文化的生活を維持するためには、様々な「もの」の世話になっていますが、これまでさほど気にもしなかった「もの」の使い方や実態に関心を抱き始めたところです。省エネルギー、節水・汚濁防止、ごみ減量などの環境諸問題との関連を含めて、更に考えを深めてみたいものです。(2001/10/05)
メールで教えていただきましたが、合成洗剤も次々と改良が進み、分解速度も速まるなど、今ではより安全なものとなってきているようです。合成洗剤に対する考えも改める必要があるようです。危ないなら安全なものへと改良していくところが人間のすばらしさかと思っています。しかし、牛肉偽装、自動車のクレーム隠し、原発損傷隠ぺい、構造計算偽装等々、利益のためなら不法行為さえいとわないという事件も後を絶ちません。私たち一人ひとりが、不正を絶対に許さず、危ないものには危ないと言えることが大切ですね。更には環境汚染物質は石鹸や洗剤以外にも、食べ残しやゴミなど様々な廃棄物も。「下水やゴミ処理場があるから安心!」と考えるのではなく、処理に負担をかけない「洗剤の使用やゴミを抑える」という心構えも必要。そんな様々なことを考えさせてくれたのが、先輩たちが残していってくれたこの「合成洗剤が危ない」でした。私たちには先輩たちの意見(文章)を簡単には変更することはできません。しかし、現在では合成洗剤も進化し、安全なものになっているのも事実かと思います。そこで、頂いたメールの要旨を挿入することにより、一部訂正ということにさせて頂きました。(2006/06/13)制作:熊本国府高校パソコン同好会