熊本文学散歩


林 芙美子はやし ふみこ

 林 芙美子は少女時代、行商の父母に連れられて、一時熊本市にも住んだことがあるといわれています。明治44年(1911)頃のことです。小学校時代は転々と十数回も転校を繰り返し、やがて彼女自身も行商に歩くようになります。

 昭和15年(1940)の短編「舞姫」には、水前寺、新市街、祇園橋などが登場しております。昭和25年には天草を取材旅行で訪れ、後に「天草難」が書かれました。このとき泊まった苓北町富岡の岡野屋旅館には、

旅に寝て のびのびと見る 枕かな

の文学碑が建っています。

 林芙美子の放浪の人生を描いた、NHKの連続ドラマ「うず潮」では、この岡野屋旅館も登場しています。

天草西海岸の苓北町富岡は頼山陽や五足がの旅など様々な文学者が訪れている 林芙美子の歌碑
富岡の岡野屋旅館玄関横
 

 この苓北町から天草町にかけての天草西海岸の旅もいいもんです。日本でも有数の埋蔵量を誇る豊富な天草陶石で作られる白磁の高浜焼き、ゆったり気分にひたれる下田温泉、隠れキリシタンの面影を残す大江天主堂や崎津天主堂など、見所もたっぷりです。隣の五和町ではイルカウォッチングもできます。ゆっくりゆったり、東シナ海に沈む夕日を眺めてみませんか。

<制作>熊本国府高等学校パソコン同好会


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