暇つぶしに
数学(?)に挑戦しよう!


思いついたことを幾つか 四方山話 よもやまばなし風に!
 


 
◆<小数点はコンマかピリオドか>
 

 小数点は comma か period か? 何気なく「コンマ(カンマ)以下の戦い」と使っていた自分に気付きました。普通,小数点はピリオドを使います。「.」はコンマではなく,ピリオドです。なぜこんな間違いをしていたのでしょうか。「0.2」を「ゼロ コンマ 2」と言う人もいます。

なんと近所の看板に小数点として「,」が! 日本では現在,小数点にピリオドを使いますが,コンマを使っていた時期(江戸末期から明治の初めのオランダやドイツの影響らしい)があるのでしょう。パソコンでは,コントロールパネルの地域のプロパティの数値の設定(XPでは日付,時刻,地域と言語のオプション)で,小数点の記号を「,(コンマ)」,桁区切り記号を「.(ピリオド)」とすることが可能です。外国では小数点にコンマを使う国や地域も多いようです。調べてみると,ドイツ語やフランス語圏では,数字の桁区切りの記号(空白を使う場合も)と小数点の記号が,英語圏(日本も)とは逆になるとのことです。

 世界的には小数点としてコンマを使う地域のほうが多いとは,意外でした。「コンマ以下の戦い」という使い方は,小数点にコンマを使っていた時代の名残りか。パソコンではピリオドを使い,手書きの時はコンマを使うという人もいます。ちなみに,ISO(国際標準化機構)では「小数点にコンマを使う」となっており,輸出用の電卓には「小数点にコンマ,桁区切りにピリオド」となっているのもあるそうです。

 以前,商業科の先生から聞いたことですが「手書きの場合,小数点(ピリオド)は左から右下へ,位取り(コンマ)は右から左下へ,はっきり書くことが肝心!」とのこと。領収書のコンマとピリオドを書き間違って,大損した例もあるとのことです。注意したいものですが,国によって小数点と桁区切りの記号が逆になるなんて,混乱しないのかな?世界では 12,345 を「ジュウニ点サンシゴ」とする地域が多いんですから・・・。

 
◆<論理性を正す:国語の問題>
 

 次のAとBの対話を読んで   1    2   に相当する言葉を言え。

A 「例外のない法則はない」ということわざがある。
B そうですか。そのことわざが真実だとすると,「例外のない法則はない」 というのも,一つの法則ですね。
A そうです。
B それでは,例外のない法則もありますね。
A どうしてですか。
B なぜなら 「例外のない法則はない」という  1   にも   2   があるはずですから。

 以前本校におられた国語の帆足公立先生からお聞きしたものです。これが国語の問題だったとは楽しいですね。国語が不得意だった私も好きになっていたかも。「ドイツ語はおろか英語さえ疎くなりけり老い健やかに」先生から戴いた色紙にありました。詩や短歌にも造詣が深い先生でした。

 
◆<円周率について>
 

コンパス どんな円でも,円周と直径の長さを測り,円周を直径で割ったら一定な値になります。この一定な値が円周率。円周率は3.141592653589793238462643383279・・・・・,どこまでもきりがない。無限に続くばかりか,次にどんな数が続くのか予測することができない不思議な値です。次に続く数を知るには,計算で求める以外にありません。それで,円周率のより正確な値を求めようと,昔から多くの人が挑戦しています。

 古代ギリシャのアルキメデスは,円の内側と外側に接する2つの正多角形の周の長さの大小関係を利用して円周率の近似値を求めました。正多角形の角の数が多ければ多いほど,円周の長さが正確に求められ,円周率も正確な値に近づく。アルキメデスは正6角形からはじめ,ついには正96角形まで考えて,円周率の近似値を「223/71」と「22/7」の間とします。それでも,小数点以下2桁の正確度です。

 正96角形は大変ですが,正6角形なら,中学校までに習った知識で簡単に求めることができますが,大した値(3)ではないですね。直接円周と直径を測っても求められますが,測定には誤差が生じる(誤差を少なくする為,大きな円を使ったり,回数を増やして平均を求めると誤差は小さくなる)ので,実測に頼らない計算を使った理由でしょうか。

 その後,オランダのルドルフが正4611686018427387904角形から小数点以下35桁を求めたのが17世紀のはじめ。日本でも,和算で有名な関孝和が正131072角形から「3.14159653959より少し小さい」と求めています。ただ,正多角形からの挑戦は面倒。その後は様々な公式を用いる方法が考えられ,現在では公式とコンピュータを利用して,1兆2千億桁(2002年12月)まで求められています。気が遠くなりそうな桁数ですね。

 ところで,数年前から小学校では円周率を「およそ3」として使ってもいいようになりました。発表されるや「3.14でなければ・・・」など,大きな論議が渦巻いたことも。「3」でも「3.14」でも,円周率の概数だという事を確認しておけば,小学生には計算しやすいほうがいいのかも知れません。面倒な計算を押し付け,数学嫌いを増やさない為には。

 2009/03/11,アメリカの下院は3月14日を「円周率の日(National Pi Day)」とする法案を可決したとのこと。円周率を通じて、「数学を学ぶ魅力を伝える」ことを目指すものだそうです。円周率の近似値3.14から3月14日。もっと細かく3.14159・・・だから3月14日1時59分,夜中じゃ無理だから15時9分に一斉にイベントやっても楽しいな。もっと数学の魅力を訴えることが必要。アメリカって小粋ですね,日本でも・・・。

 
◆<0(ゼロ)は自然数か?>
 

0 1 2 3 ・・・ 以前「0(ゼロ)は自然数か?」というメールをいただいた事がありました。確かに,高校までの数学では自然数に0を含めません。しかし,大学などでは自然数に0を含める場合もあります。ギリシャ時代には0は存在せず,0がインドからヨーロッパに伝わったのは10世紀以降。それが元々の自然数には0は含まれなかった理由でしょう。

 ところが,集合を用いて数を定義したり,コンピュータなど様々な分野への応用を考えると,自然数に0を含めたほうが便利な場合が多いのです。自然数の定義として有名なペアノの公理でも,0を含める含めないに関係なく,自然数を定義する事ができます。ギリシャ時代に0が使われていたなら,0を含む自然数だけだったかも知れません。

 ちなみに,ゼロはインドではsunya(スニヤ 空とか空白の意味),これをアラビヤ人がsifr(シフル 空の意味)と呼び,イタリア人がラテン語化してzephirum(ゼフィラム),そしてイタリア語のzero(ゼロ)となったと言われています(片野善一郎著数の世界雑学事典より)。空という概念はやはり東洋的発想というか仏教思想では。色即是空,空即是色という般若心経(仏教の経典)にも。空が解れば,仏教の真髄が理解できるとすら言われています。実体主義(?)的な昔の西洋思想からは生まれ難い概念なのかも知れませんね。

 
◆<パーセントの記号「%」>
 

% パーセント(percent 百分率)の記号「%」はどのようにしてできたのか,情報処理科3年の寺床君が調べてきてくれましたので,ここに紹介します。(2007/04/27)

 調べたら,3つありました。どれが正しいか,はっきりしていないようです。

  1. もともとの書き方は「/100」で,斜めの棒と数字の1を兼ねた斜め棒がゼロの間に来たのが「%」。ちなみに千分率「パーミル(permille)」の記号「‰ 」も「/1000」を変形したもの。
     
  2. パーセントのセントはラテン語で 100 という意味がある。この cento の初めと終わりの c と o を用いて「c/o」と書いた。これが後に%に変わった。
     
  3. はじめは percent と書いていたが,めんどうで “PC”と頭文字で表すようになり, “PC”を筆記体で書くと「%」となる。ちなみにパーミルの記号は「%」が定着した後に作られた。
 どれもこれも正しそうにみえますね。数学では,%以外にも様々な記号を使いますが,それらの成り立ちを調べるのも面白そうです。
 
◆<100円寿司には3,5,7人で行こう!>
  お寿司 100円寿司の勘定は,3,5,7の倍数で必ず割り切れるから,きっちり割勘が出来るということです。100円に5%の消費税が加わるので,一皿105円です。105=3×5×7。だから,どれだけ食べようと勘定は105円の倍数,必ず3,5,7の倍数になります。よって,3,5,7人だったら,ピッタシ割勘が出来るということです。
 ところで,111111=15873×7=3×7×11×13×37 や 111111111=12345679×9=333667×37×9 などを利用すれば,面白そうな数遊びを考えることも出来ます。例えば,111111=3×7×11×13×37 を利用すると,一桁の数を考え,それに 3,7,11,13,37 を全部掛けると,最初に考えた数が6個並びます。

発信:2004/01/16 最終更新:2009/03/14


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