商業教育のマナー指導

(マナー指導は教育になりうるのか)

二学期が始まりました。お忙しいことと思います。
毎回、長い文章でご迷惑お掛けしています。次回で終わりに致します。
同文章をホームページにも載せてみました。(9月9日)

面接指導その3

  1. 礼の仕方

    礼の仕方に、会釈、普通礼(敬礼)、最敬礼がある事は生徒たちも知っているでしょう。
    でも、面接試験ではどの場合に会釈、普通礼、最敬礼を行うのか生徒が戸惑うところです。
    私は、会釈と普通礼で良いのではと考えます。
    和室の礼では、初めての礼は最敬礼がふさわしいようですが、面接の場合最敬礼では、多少緩慢な印象を与えるようです。
    また、会釈と普通礼の角度の違いを指導するよりも、角度を問題とせず頭をゆっくりと上げれば丁寧に見えると指導した方が生徒たちは気が楽になるようです。
    礼の仕方は頭を下げずに、上半身だけを傾けた方がきれいに見えます。
    このあたり、次の「ビジネスマナー」のところで問題にしたいと思います。
    でも、生徒の中には極端に頭を下げる癖のある者が見受けられますので、注意してやる必要があります。
    また、全員に何度か礼をさせてみますと上半身を傾けて、きれいに礼ができる生徒を時折見つけることができます。
    どちらの礼がきれいに見えるか、比べてさせると生徒たちに参考になるでしょう。(販売志望の生徒には、この指導は必要ではないでしょうか。)
    男子の場合、直立不動の姿勢で手は横にして頭を下げます。
    女子の場合は、本来なら男子と同じ礼でも良いのでしょうが、この頃のマナーの本にはあまり見当たりません。これは販売員教育の影響でしょうか。
    例えば、礼をしながら手を膝の位置で揃えるとか、揃えずに太股に手を滑らすとか、腹部に手を組み礼をするとかいろいろとありますので指導者の方が戸惑います。
    私は、いろいろな方法を教えて自分に合った礼の仕方ですればよいのではと教えています。
    同じ学校の受験生が同じ格好ですれば、かえって滑稽だと思います。

     

  2. 名乗り方

    普通なら、校名とフルネームを名乗るべきでしょう。企業によっては、受験番号だけを言わせるところもあるようです。
    注意すべきところは、校名を略称で言ったり姓名だけを言ってしまう生徒がいることです。
    ここも生徒が戸惑うところです。つまり、礼をして名乗るべきか、名乗ってから礼をすべきか(馴れていないと礼を忘れることがある)礼をして名乗りまた礼をすべきかという方法があります。
    自分が馴れているいる方法で行った方が良いと教えています。
    その際、できるだけ大きな声で名乗るのが肝要だと思います。面接や校内選考の場合、2オクターブくらい大きな声を出すことと指導しています。

     

  3. 目線の置き方

    私の学校の生徒が一番苦手とするところです。礼の前後、質問を受ける時、答える時はきちんと試験官と目を合わせるように指導します。
    それ以外は、目の位置は両肩の線、目の位置の線、乳の線の範囲に置いとけばよいでしょう。
    相手の目をきちんと見つめることができるかどうかは、国民性や県民性によるところがあるようです。
    国際的には、狩猟民族か農耕民族かに由来するするのではと推測しています。
    例えば、現在では大相撲でお互い闘志をむき出しにしてにらみ合う場面は、場内から歓声があがるようですが高見山関の頃は非難の声があったことを覚えています。
    私の所在地の熊本では、目を見詰めるのは失礼な態度とされているようです。
    逆にお隣の鹿児島県では、目を逸らすのは失礼とされています。
    これは、武士道の違いから由来するものと思われます。
    話題が外れてしまいましたが、窮屈なマナーの時間ですから、たまには脱線するのも生徒に関心を持たせるようです。
    また、由来の話をすることによって、礼儀の本質を理解できると思います。


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