面接指導その2

(マナー指導は教育になりうるのか)

  1. 第一印象

    どの面接指導の本にも、入室の際の印象を大切にするべきで大半の評価はここで決まってしまうと書かれています。
    心理学上でも人は第一印象で相手を評価してしまうそうです。この点、私の研究不足で生徒に納得できるように説明ができません。
    どなたかご存じの方がいらっしゃいましたら教えて下さい。
    まず、ドアを開けます。面接官と視線が合った場合、会釈程度の礼をさせても良いでしょう。
    部屋に入ったら、半歩前に進み静かに軽く会釈程度の礼をして、面接官と目を合わせます。ここが第一印象です。
    踵は付けていますか。手はきちんと横に置いていますか。手の指はばらばらになっていませんか。
    面接室の部屋が狭かった場合、ここで丁寧な礼をして名乗っても良いでしょう。
    面接は、あらかじめ受験する会社で練習できるわけではないので、まったくのぶっつけ本番です。入室して初めて部屋の様子が判ります。
    あらかじめ部屋の設定が想像できる高校受験の面接とは大きな違いです。
    決まりきったようなマナーでは対処できないことを教えるべきではないでしょうか。
     
     

  2. 椅子の座り方

    面接官の前に進んだら、椅子のどちら側に立つのが本当でしょうか。
    椅子の左側と言う説と下座に立つべきだと言う説があります。
    テーブルマナーでは、必ず椅子の左側とされています。
    これは、椅子というのは出し入れに動かすもので、利き腕である右手で椅子を持つから体は必然的に左になると教えますと生徒は理解できるようです。
    テーブルマナーや教室など大勢の人が居る場合、統一する必要があるかもしれませんが、面接室では下座に立つのがほんとうかもしれません。
    このように説明すると生徒は戸惑いますのでドアから最短距離に位置すればよいと教えますと安心致します。
    上座、下座などというのは生徒が一番苦手にするところです。ここも、次のビジネスマナーで問題にしたいところです。
    さて、椅子の座り方ですが、どのマナーの本にも椅子に遠い方の足から前方に進み近い足で椅子のやや真ん中に間隔を取り、両足を揃えて座るとしてあります。
    これは、椅子の間隔を取り不調法をしない座り方だと思います。生徒用の椅子では説明ができませんので、いろいろな椅子で座らせてみますとこの方法が合理的な座り方というのが理解できるようです。
    マナーの本には、座る時心持ち椅子を引き、椅子から立ち上がる時元に戻すとアドバイスしているものもあります。
    座り方まで面接官はいちいち見てはいないでしょうし、間違ったらやり直しせずに、そのまま座った方が見苦しくないとアドバイスしています。
    なにかマナーのごまかし方を教えているようですが、マナーとは形ばかりにに囚われずマナーの本質を教えることが必要ではないでしょうか。
    かく言う私も、まだマナーの本質は理解していませんが。
    その他、応接室で面接を行う企業もありますので、ソファの座り方も指導しておく必要があります。
    また、面接官の許可があってから座るようにすると教えるべきではないでしょうか。
    普段、教室で行っているようにペコリと礼をしてそのまま座ってしまうという癖が出てはいけません。
    学校での式典などで壇上に立つ方の例を取って教えますと納得するようです。


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