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新100校プロジェクト 平成9年度実施報告 
  



○平成9年度の成果と課題
 第1の成果は、正規の授業に取り込めたということではないでしょうか。Webページ
作成を利用して、自己表現能力の育成を試みた「課題研究」や、E−mailを使って映
画や日常生活での体験等をテーマに討議し国際交流をはかった「英語」の授業等です。
 中でも、Webページ作成に関しては、文字、画像、音声を駆使して「自分で設定した
テーマに基づく作品を完成させて、人前で解りやすく発表する」という、生徒たちにとっ
て興味深い教材となり、マルチメディア情報活用能力やプレゼンテーション能力が育成で
きたものと、大いに評価しています。まだ、全クラスでの実践とはなってはいませんが、
正規の授業として取り組めたことは、新たな発展の大きな一歩となるのではないでしょう
か。この流れを全生徒・職員に拡大させることが課題です。

 課外活動では、熊本の情報、それも単なる観光案内ではなく、熊本の隠れた自然や文化
を掘り起こし、その情報をまとめ上げたことは評価できます。郷土の情報を調べ、発信す
ることにより、郷土熊本を見直し、更には私たちの住む地球を愛する心へと発展するもの
と確信しています。しかし、テーマが多岐に渡り、内容や問い合わせも多く、担当者一人
では手に負えない面もあり、指導者を増やすことも課題です。

 過去2年間と比べ、生徒の利用は増加しました。マスコミから流されるインターネット
関連情報をつかんでおり、教師からの指示はなくとも、自主的にブラウザーを操作し、ネ
ットワークサーフィンを楽しんでいる状況で、ディスク使用状況も増加し、サーバーコン
ピュータの disk full の状態も相次ぎました。生徒たちの利用が盛んになるということ
は喜ばしいことですが、反面、興味本位の閲覧も多く、無駄なトラフィックを増大させて
いる面もあります。今後、問題あるWebサイトの閲覧制限システムを構築したり、ネッ
トワーク利用上のルールやマナー等の指導をさらに徹底することも必要です。

 なお、セキュリティー問題などのネットワーク管理とか、各種サービスへの新しい技術
への対応、サーバコンピュータを含めた校内のハード面の更新など、課題も多く残りまし
た。また、生徒の個人情報保護などの問題もあります。

○新100校プロジェクトに参加して
 担任教師が「あの生徒が本当に作ったのか?」と、驚異の言葉を発するほど、生徒たち
の発信情報や表現内容には驚かされます。普段の教室や授業では、感じることができない
ほどにまとめ上げることができたのも、インターネットが新鮮で興味深い媒体となってい
るからです。膨大な情報の中から必要情報を見つけたり、自らの手で情報を発信するなど
の過程で、情報活用能力や判断力、責任感も養われ、確かな自信を築きあげています。
 生徒に比べ、私たち職員の対応が遅れているのかも知れません。「他の仕事が忙しく、
暇や余裕がない」などの声も聞こえてくることもしばしば。今の教育現場は日常業務に追
われていることは確かで、時間外勤務や自宅での仕事が増えたことも事実です。しかし、
新しい時代を生きる生徒たちに応えるのも教師のつとめ、新しい教育媒体としてのインタ
ーネットの活用法をさらに前進させたいものです。教師がいちいち指導しなくとも、生徒
同士での情報交換による自発的問題解決も可能です。教師にとっても、居ながらにして、
教育情報を獲得できる重宝な「道具」となります。教師や学校の在り方さえ、大きく変化
させるのに役立つ「道具」だと確信しています。その「道具」を大いに活用するためにも、
さらに積極的に取り組む考えでいます。また、サーバー管理など忘れて、自由にインター
ネットの恩恵に浸れる時代が、早く来るよう願っています。

 本プロジェクトに参加でき、インターネットという新たな教育環境を、先駆的に活用で
きたことは、大きな喜びです。今後はインターネットの教育活用に、少しでも貢献できれ
ばという方向で、地域を含めた校内外での活用普及につとめなければと考えています。ご
指導をいただいたIPA、CEC、KANSのみなさまに、深く感謝申し上げます。

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