● 火星が”大”接近!
■ 肉眼では「赤く強烈な輝き」、望遠鏡では「大きな火星の姿」が楽しめる!
2003年は、火星が地球に大接近します。火星は2年2ヵ月周期で地球に近づき、見頃を迎えます。ですから、火星が大きく明るく見えるのも2年2ヵ月周期となります。
2年おきに見られる「火星接近」ですが、実は毎回、地球に最も近づいたときの距離が違います。それは、地球と火星の軌道が同心円状ではないためです。今年2003年の火星接近は、地球と火星の軌道が一番近づいた箇所での最接近となるおかげで、地球と火星は「これ以上近づけない!」という限界まで近づいた「最大級の接近」となるのです! というのも、2年2ヵ月おきに接近する地球と火星の最も近づいたときの距離が毎回違い、「遠い接近」になったり「近い接近」になったりするのです。前回の火星接近は2001年でしたが、今年2003年の火星はその時以上に接近するため、今年の夏は夜空で赤く明るくハデに火星が輝き、強烈な印象を受ける事でしょう。
2003年の火星と地球の接近は、15年周期の最近距離にあたります。つまり、過去15年間の「火星接近」の中でも、今回が最も地球に近づく事実上「最大級接近」になるわけです。2005年にも2007年にも火星は地球に接近しますが、その時の距離は2003年より遠くなります。ですから、今年2003年の火星大接近は15年に1度のチャンスにあたり、今年は火星が見逃せないわけです!
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火 星 |
火星が地球に接近したときには、星空の中でもひときわ明るく火星が輝き、人々の目を引きます。火星の不気味なまでに赤い輝きは、戦争を予兆するものとして、昔の人々には恐れられていたほどです。火星が大接近する今年2003年は、火星の明るさは想像を絶する明るさ、-2.9等星 になります! ここまで明るいのですから、夜空で輝く2003年夏の火星は「キラキラ」ではなく、「ギラギラ」という表現のほうがふさわしいほどの、強烈な光を放ちます。
望遠鏡で火星を見ると、なおさら楽しめそうです。望遠鏡で覗いて見る火星の姿は、例年以上に大きく、南極の氷や表面の黒い模様もはっきりと見えて、火星が近いだけあってとても迫力のある見え方が期待できそうです。
さて、火星は 2003年8月27日 に地球最接近となります。ですが、火星はゆっくり接近し、ゆっくりと遠ざかっていくので、実は長い期間、火星は大きく見えています。この「最接近日」を挟むおよそ2〜3ヵ月の間は、見え方に大差がないので、火星の見頃は
2003年夏〜秋 の間、長期間楽しめることになりますね。この期間は、地球に大接近している時期なので、晴れた晩に夜空を見上げると、火星の赤く強烈な輝きが誰の目にも留まることでしょう。ぜひ、望遠鏡で拡大して見てみたいものです。
肉眼で火星を見ても普通の星と同じで光の点にしか見えませんが、望遠鏡で拡大して見ると素晴らしい火星の表面模様を眺める事ができるので、この15年に1度の大接近にあたる今年、ぜひ望遠鏡で火星の表情を楽しんでみてください。
15年に1度のチャンスなので、2003年夏〜秋は、ぜひ望遠鏡で火星を見てみましょう!
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