金魚について

 本校の金魚のページを閲覧されて、金魚の養殖が盛んな玉名郡長洲町にある金魚の館から丁寧なメールを戴きました。大変参考となる内容ですので、許可をいただきましたので、ここに紹介させていただきます。(2000-06-01)


 ・・・長洲町「金魚の館」からのアドバイスメールより・・・ 

 金魚が病気になる一番の原因はストレスです。今まで元気だったのに新しい金魚を加えたら前からいた金魚が病気になったので、新しい金魚が病気を持ってきたのではないかと、よく質問を受けました。それは、新しい金魚が加わることで水槽の環境に変化が生じ、今までの金魚にストレスが生じるので体調を崩します。
 飼育水の中には、いろいろな菌やバクテリアがいます。良い水というのは、新しい水ではなく、いいバクテリアが沢山いることです。ですから、ろ過装置のフィルターと水槽を同時に洗うのは、避けたほうが良いのです。どちらかのバクテリアを残し、交互に清掃すればいつまでも金魚にとってすばらしいし環境となります。
 また、その飼育水の中にも必ず白点虫がいますので、人が疲れたりストレスが溜まったりして体調を崩すと病気になりやすいのと同じように、金魚も急に白点病になったりするのです。そのためにも、新しい金魚を加えた場合も、その水槽全ての金魚に餌をしばらく与えないことです。
 なぜ餌を与えないかというと、水槽の環境(水替え後や金魚を加えた場合など)が変わったり、病気になった時に、餌を与えれば食べるが体調が思わしくないので消化不良をおこし益々体調が悪くなり、翌日に死んでいたということになります。

 餌のことも言いますと、バーゲンで安いからといって大きいのを買うのはやめましょう。ご存知のとおり、転覆病というのがありますが、厄介な病気で、初期のうちですと水温28度ぐらいに上げてやれば元にもどる場合もありますが、完全に治ったわけではなく再発の可能性はあります。まだはっきりした原因は分ってはいませんが、餌にも原因があり、古くなり酸化した餌を与えることにより転覆病になる確率がたかくなるとの報告がなされています。
 また、金魚はなぜ1匹では飼育しないほうが良いかというのは、金魚は複数匹いて餌を競争して食べます。それが1匹になりますと、競争する相手がいなくなりますので、だんだん餌食いが悪くなってきます。金魚というのは、通常、丸型金魚を飼育しますので、餌を沢山食べ丸々しているほうが観賞価値が高くなるものです。

 最後に、ホームページに「日本おらんだししがしら愛好会」からのアドバイスということで白点病治療の例が掲載されていますが。そのまま、実行すれば金魚は死んでしまうでしょう。確かに、白点病に関わらずほとんどの病気に対し食塩を使用します。ですが、その分量を間違えると殺してしまうことにもなります。
 長洲町は、全国観賞魚養殖協議会(全国で金魚・錦鯉を実験している県の水産試験場の研究成果を発表する場)に県以外の市町村では唯一参加を認めていただいている町です。
 その知識から申しますと、金魚の体液は、0.6%です。ゆえに薬浴させる場合は、通常0.5%濃度の食塩水を作ります。(1リットルに対し5gです) 1%濃度の食塩水も使用することは、まれにはありますが、病状がひどい時に1分ぐらいで薬浴をやめます。
 長すぎると逆効果です。では、なぜかというと、金魚は体調が悪くなると体表の「ヌルヌル」がなくなっていきます。ということは、水から、体内をカバーしていたものがなくなると、体液濃度の方がかなり高いため飼育水が体内に浸透してきます。
 そのため、体液に極力近い濃度の食塩水で餌を与えず、水温を上げ体調が戻るのを待ちます。ですから、1%濃度の食塩水は即効性はありますが、短時間でやめないと、命取りになってしまいます。
 ホームページを読むだけでは、その点が分りませんので、それに従って愛好家が処置されると危険ではないでしょうか。表現を再考されたほうがよろしいと思います。

 時間があったら、金魚の餌の紹介(生まれてから1週間ぐらいは「ワムシ」を与え、その後1週間ぐらいは「ミジンコ」を与えます。最近では、市販されている餌でも対応はできますが、生きた餌にはかないません。
 皆さんでもその生餌の培養は可能です。私たちは、「ワムシ」「ミジンコ」の培養実験もやっていましたし、そのまた餌となる「クロレラ」も培養していました。これも簡単に誰でもできますよ。

<別メールでの追加事項(抜粋)>
 ただ、注意していただきたいのは、0.5%の食塩水で薬浴するだけの処理は病気の初期の段階だけであり、必ずしも回復しない魚もあります。そのときは、その食塩水に薬浴しながら専門の薬を使用することになります。ただ、薬も劇薬ですから、出来るだけ金魚の様子を毎日観察しながら変化に注意し、水温調整、食塩水の薬浴、餌の中止をするべきです。
 金魚の病状と環境がはっきりと判らないときは、とりあえず 0.5%の食塩水で薬浴させ、水温を25度ぐらいに設定し、餌を10日ほどストップし、その後の状況を再度お知らせ頂く対応をいたしておりました。しかし、「どんなに尽くしても死んでしまう可能性はある」との認識をしていただいた上でのアドバイスをしておりました。その辺のご理解をお願いします。

以上です。


メニューへ