自らの進路を決めるためには

熊本国府高等学校普通科


(1)目的意識を持とう
 大学進学の割合は年々高くなっています。高校を卒業した人のうち、半分以上の人が大学や短大に進学を希望し、卒業者の3分の1が実際に入学しています。現在では80万名以上が入学し、大学生が240万名、短大生は50万名を越えています。技術の高度化、社会の情報化などによって専門的知識を持った大学卒業者が必要とされ、大学生の数も多くなり、大学に行くのが当り前と考えている人も多くなりました。しかし、大学生活を充実したものにするためにも、何のために大学に進むのかを真剣に考え、目的意識を持つことが大事です。実際に、大学生の3割近くの人が「大学生活へ不満」を投げかけています。「不本意入学」や「無気力学生」になる事態を避けなければなりません。
 
(2)将来の進路をどう考えるか
 「大学で何を学びたいのか、将来どういう職業を選びたいのか」によって進学先が絞られてきます。職業を考える上でも、変化が激しい現代社会、数年後の予測は難しいようです。今就職がいいとか、花形だからと、目先の状況にだけとらわれるのではなく、積極的に学問をし、生き生きとした学生生活を送ることが将来の職業にもつながります。そのためにも様々なの情報を集めて、自分の適性に合った、意欲の湧く職業を考えるように心がけ、自分の進路を決定して下さい。
 大学生活の何十倍も続けなければならない自分の職業を真剣に考えずに、目先の高々4年間の大学だけにとらわれてはいけません。自分の興味や関心と大いに関係はありますが、単に音楽が好きだから音楽家になれるとは限りません。興味のほかに、自分の適性や能力を冷静に見つめ、実現の可能性がある目標を定めることも大切です。よく考え、調べ、友達や先生や家族や先輩に相談した上で決めて下さい。
 
(3)受験生はどうやって大学進学を決めているのか
 あるアンケートによれば、大半の人が「自分の興味・関心」で決めたということです。続いて多いのが「将来の人生計画・目標」、「専門知識の習得」、「自分の性格や適性」で、皆自分の将来を真面目に考えていることが解ります。一方、「自分の成績」というのも上位にあり、成績を気にする受験生心理かもしれませんが、大切な要因でもあるでしょう。近年、不況、就職難になって、ようやく本来の「学問をする」とか「教養を身につける」という認識も広がっています。
 
(4)文系か理系か、それとも
 全国の大学の学科数は500以上、さらに専攻となると数えきれません。しかも大学によっては、同名の学部でも内容が異なっている場合もあり、選択を間違えると入学してから後悔することになります。最近は大学改革、学部改革の波を受けていくつかの学部系を含む学部・学科や、理系と文系にまたがる学部・学科もみられ、自分が希望する学部・学科だけでなく、それと類似の学部・学科まで調べることが重要です。
 志望学部や学科を決めるには何を基準にしたらよいか。ややもすると、世間の評判のみに引きずられて、一流大学であれば、合格できる学科でよいといった安易な考えで決める人がいます。中には文化系と理科系の両方を受験する人さえいます。学部・学科によって内容は多種多様で、それぞれについて各人の適性もあり、大学の名前に固執よりも学部・学科すなわち学びたい学問を先に選ぶことが大切です。
 大学で学ぶ学問の系統(学部・学科)を簡単にまとめてみると、以下のように大別することができます。
 
(厳
  • 文学系統……文学、史学・地理学、心理学、哲学、文化・教養学
  • 外国語学系統……外国語学 ・法学系統……法学、政治学
  • 経済学系統……経済学 ・経営
  • 商学系統……経営・商学、経営情報学
  • 社会学系統……社会学
  • 国際関係学系統……国際関係学
⇒系
  • 医・歯・薬学系統……医学、歯学、薬学、看護学、保健・医療技術系
  • 理学系統……数学、生物学、化学、物理学、地球科学、総合理学
  • 工学系統……機械工学、電気・電子・情報工学、建築・土木工学、応用化学、応用物理学、材料工学、資源・原子力工学、船舶・海洋工学、航空・宇宙工学、経営・社会工学、工業デザイン、商船学
  • 農学系統……農学、農芸化学、農業工学、農業経済学、林学、獣医学、畜産学、水産学、総合農学
N省の要素をもつ系統
  • 教育学・教員養成系統……教育学、教員養成系
  • 総合科学系統……人間科学、総合科学、環境情報学
い匹舛蕕砲眤阿気覆し賄
  • 芸術学系統……美術・デザイン、音楽、芸術・その他
  • 生活科学系統……家政学、食物・栄養学、被服学、住居学、児童学
  • 体育系統……体育学
 
<広い世界の文系、実験演習の理系>
 文系の学問は、一つのことを追求するのに雑学的といえるほど周辺知識を必要とします。経済を例にとれば、経営学や経済の基本から国際関係、人種間の文化の違い、語学、コンピュータ、社会心理学といった、ファジーで、幅広い知識世界です。それに対して、理系のほうは科学的根拠を核とした実践的な学問で、専門的かつ集約的な世界ですし、内容の充実した実験や実習ができるか否かに学生生活の成果がかかってくるため、研究施設が整っているかが重要となります。
 最近、文化系と理科系の両方の知識を総合的に生かす新しい学系(総合科学、環境情報学、総合人間学など)が増えています。そこでは入試も文系でも理系でも受験でき、入学後も文理両方の授業をとったり、総合的な学問を学ぶことができます。例えば、環境問題の解決には経済、法律の知識も自然科学の知識も必要というように幅広い知識と判断力が必要だからです。
 今までの学習生活で蓄積されてきた実力、得意科目、不得意科目のバランスや、自分の向き、不向き、将来の希望を考え合わせて、自分の方向をつかむことです。

<主な学部・学科により取得できる資格>
学部 学部/学科 取得できる資格
医学 医師国家試験受験資格
薬剤師国家試験受験資格
臨床検査技師国家試験受験資格
高校1種・中学1種理科免許状
法律 高校1種・地理歴史、公民免許状
中学1種社会免許状、学芸員資格
図書館司書、司書教諭
国文 高校1種・中学1種国語免許状
中学1種書道免許状、学芸員資格
図書館司書、司書教諭
英文 高校1種・中学1種英語免許状
図書館司書、司書教員、学芸員資格
教育・教育学専攻 高校1種・地理歴史、公民免許状
中学1種社会免許状、学芸員資格
図書館司書、司書教諭、社会教育主事補
教育・初等教育学専攻 小学校1種・幼稚園1種免許状
養護教員2種免許状、学芸員資格
図書館司書、司書教諭
心理 学芸員資格、図書館司書、司書教諭
認定心理士(日本心理学会認定)
社会・史・国際文化 高校1種・地理歴史、公民免許状
中学1種社会免許状、学芸員資格
図書館司書、司書教諭
経済 経済 高校1種・地理歴史、公民免許状
中学1種社会免許状、学芸員資格
図書館司書、司書教諭
理工 機械・精密 高校1種工業免許状
電気・電子 高校1種工業免許状
材料科学 高校1種工業免許状
情報科 高校1種工業免許状
数学・物理・化学・生物・地学 高校1種・中学1種理科免許状

(5)学部・学科を決めるには
 自分の将来について、文学なり、法律なり、自分の勉強したいものが決まっている人は必然的に学部・学科は決ってきますが、自分が勉強したい学問や得意なものがない人にとっては、「将来の職業」が系統・学部を決める決め手になります。資格を要する職業を希望している人は、必要な資格により学部・学科は決まります。薬剤師は薬学部、航海士なら商船学部、義務制学校の教師なら教育学部というように限定されます。
 しかし、このような特定の職業を意識していないときは、一般に就職に有利かどうかを考えることが多いようです。たとえば、文化系の社会学系統では、法学部あたりが、どこにいってもつぶしがきくとも考えられるし、理科系では工学部の電気科、機械科などが、幅広く技術者としての仕事ができるとも考えられます。
<学部と職業の関連>
‘団衒野に進むものが多いのは、医・歯・薬学部や教員養成系など。
⇒・工学部は大学院進学者も多く、一般企業のほか研究所、官公庁など。
  もちろん、営業など文系出身者と同じ分野に進む人もいます。
K Ψ弌商学部は製造業や金融業、商社、官公庁など幅広い。
  司法試験を目指すなら法学部だが、難しい。
な検Τ姐餮豎愀呂篭軌やマスコミ、外国語を生かして商社や観光業、一般企業にも。
 
 しかし、最近では学部・学科と就職先の関係も多様化が進んでおり、学部・学科と就職先の関係があいまいになってきたのも事実でしょう。高度情報化社会の到来とともに、ひとつの仕事を遂行する知識や技能の範囲は今後ますます拡大していきそうです。
 
(6)4年生大学だけが進路か
 人の進路は千差万別、人によっては大学に進むより、直接仕事に就いたり、専修・各種学校に進学したほうが、自分の能力を伸ばすことができる場合もあります。自分自身の長所、能力、興味、体力などあらゆる点から考えて適性を判断し、好きな道で、自分が打ち込める進路を見つけることです。ただ単に、成績の偏差値で判断するわけにはいきません。大学では、職業に直結した教育は期待できません。その点、短大や専修学校では、職業や実務教育に力を入れています。それだけに4年生大学にはないユニークな学科を設置している短大などもあります。最近の進路傾向の中にも、この実務・職業教育に期待して、入学者増として現れているところも多いようです。
 また、文部省所管外の、各省庁に付属する大学校もあります。これらは内容・設備とも4年生大学と同じか、むしろ充実していて、競争率も高く難関となっているところも多いようです。
 医療系統では、国公立の病院をはじめとする医療機関や団体が専修学校を設立して、医療従事者の養成をしています。
 いろいろ述べましたが、最終的に進路を決めるのは自分自身です。しかし、進路決定のための的確な情報を得るには、自分一人だけでは心もとないものです。家族・友人・先生・先輩のアドバイスや新聞・雑誌・書籍などを大いに利用して、悔いのない進路を決定してください。興味あるものというか自分が好きなものというものが一番かもしれません。好きなものだったら苦と思わず一所懸命頑張れるもの。やりたいことがあったら、不可能だとあきらめるのでなく、挑戦してみることも重要。他人にできることは、自分にもできるものです。夢を実現するためには、漫然と夢を思い描いているだけでは無理。「まず目標をはっきりさせ、目標実現のための計画を立て、その計画を一つずつ実行していく」ことです。(^_^r.nari

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