青色申告入門 |
本ページは2004年1月に作成していますので
作成時期が古く、既に変更になっている部分があるかも知れません。
個人事業者は、毎年の年間所得について、税務署に申告、そこで認定された所得に応じて、納税額が決まります。所得は「年間売上ー必要経費ー各種控除=所得」で計算されます。各種の税金がこの所得に応じて課税されます。よって年間売上が同じなら、必要経費や各種控除の合計が多いほど、所得が減り、税金が安くなります。
税務署への申告方法としては「白色申告」か「青色申告」を選択できます。節税効果が大きいのは「青色申告」です。
項目 | 青色申告 | 白色申告 |
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青色申告特別控除 | 条件により65万円または10万円 | なし |
専従者給与 | 原則として全額が必要経費 | 一人最高50万円(配偶者86万円) |
純損失の繰越控除 | 翌年以降3年間 | 変動所得または被災事業用試算の損失に限定 |
推計課税*による更正 | 対象外 | 対象 |
引当金* | 貸倒引当金・退職給与引当金等の一定の引当額を必要経費に算入可 | 適用なし |
低価法* | 棚卸資産の評価に可 | 適用なし |
青色申告特別控除とは | 青色申告することによって得られる控除額。複式簿記で記帳し、貸借対照表や損益計算書等の添付があり、かつ、確定申告書を期限内に提出する場合は65万円、それ以外は10万円。 | |
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推計課税とは | 帳簿に基づくのではなく、間接的な資料(同業者・規模などを考慮)によって所得を算出して課税すること。 | |
引当金とは | 企業会計において、将来特定の費用や損失があらかじめ見積もることができる場合に、その期に損金として計上が認められる金。退職給与引当金・貸倒引当金など。(三省堂「大辞林」より) | |
低価法とは | 貸借対照表上の資産評価に際し、原価と時価とを比較して低いほうを評価額とするやり方。わが国では有価証券と棚卸資産に適用されている。(大辞林より) |
収入:2000万円、必要経費:1200万円、家族への給与:300万円の場合 | |||
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青色申告: | 2000万円ー1200万円ー300万円(専従者給与)-65万円(青色申告特別控除) | =435万円(所得) | |
白色申告: |
2000万円ー1200万円ー86万円(事業専従者控除) |
=714万円(所得) |
青色申告の場合、家族への供与所得に対しても所得税が発生しますが、それを加算しても、青色申告の節税効果は大です。赤字覚悟で始めるビジネスなら、純損失の繰越控除が可能な青色申告のメリットは更に大きくなります。
専門的な用語も幾つかありますが、辞書等で調べれば解ります。簡単に言うと、どんぶり勘定の「白色」か、ちゃんと帳簿つける「青色」かっていうことです。なお「青色申告特別控除」は「適正な記帳・決算」が条件で、控除額はそのレベルに応じて65万円か10万円の2段階に分かれます。しかし、面倒な帳簿記載も、今では便利な専用の会計ソフトがいろいろ出回っています。パソコンを使えば、入力さえしておけば、勘定科目等の知識が無くても、パソコンが勝手に仕訳・計算・転記してくれ、申告に必要な各種帳票類をプリントアウトしてくれます。そう考えれば、青色申告なんて難しくないようですね。
ところで、税金や法律関係には、難しい用語が多いため、専門家でなければ無理だという雰囲気さえあります。しかし、パソコンの普及が専門的知識の壁を取除いてくれそうです。税システムそのものも、誰でもが、より簡単に、自分で申告できるようなにはならないものでしょうか。複雑化する事によって専門職の仕事を確保するということでしょうか、公的規制の緩和や撤廃の対象にならないのかとも。(商業知識がない素人の感想です)
インターネットで、所得税等の国税に関する様々な申告や申請ができる国税庁のWEBサイト「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」や地方税の手続きができる「地方税ポータルシステム(eLTAX:エルタックス)」などがあります。閲覧するだけでも勉強になるかと思います。
父から「適当な会計ソフト」を捜すよう頼まれていました。そんな中で出合ったのが日経パソコンの2004年1月19日号、その広告企画「パソコンで効率化!青色申告ガイド」を読んだことが、本ページ作成のきっかけです。自分には勉強になったつもりですが、不充分なところや間違っている部分もあるかも知れません。お気付きの点等、アドバイスいただければ幸いです。(作成:K.G. 発信:2004/01/28)
最終更新:2008/08/21