暇つぶしに
数学(?)に挑戦しよう!


普通科3年田尻君のレポート
プロ野球の中に数学を見つけたということです
 


 

33試合連続ヒットの確率

 野球で連続してヒットを打ち続けることは難しいものである。特に何十試合も連続して打ち続けるのは不可能とも思える。元広島カープの高橋慶彦選手が33試合連続ヒットの日本記録を持っている。この33試合連続ヒットの確率を求めてみよう。

 計算を簡単にするために,高橋慶彦の打率を3割,1試合に4回打席がまわってくるものとすると,ある試合で彼がヒットを打てない確率は,4打席ともヒットを打たないのだから
 0.7^4 (0.7の4乗のこと),すなわち 0.2401≒0.24 となる。
 よって,その試合でヒットを打つ確率は 1-0.24=0.76 である。
 したがって,「33試合連続してヒットを打つ」確率は 0.76^33 (0.76の33乗),計算すると 0.00011664027778・・・・・ となる。
 これは非常に低い確率である。(これ以下,この値を 0.00011664 として計算する)

 ところで,「1シーズン130試合の間にどこかで,彼が33試合連続ヒットを打つ」確率は
  「1試合目から33試合目まで」または
  「2試合目から34試合目まで」または
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  「98試合目から130試合目まで」の
  いずれかに連続ヒットを打てればいいので,98回のチャンスがあり
  「1試合目から33試合目まで」の連続ヒットの確率は
          34試合目にはヒットが出ないので 0.00011664×0.24
  「2試合目から34試合目まで」では
          1試合目と35試合目にはヒットが出ないので 0.00011664×0.24^2
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  「97試合目から129試合目まで」では
          96試合目と130試合目にはヒットが出ないので 0.00011664×0.24^2
  「98試合目から130試合目まで」では
          97試合目にはヒットが出ないので 0.00011664×0.24
 よって,「1シーズン130試合の間にどこかで,彼が33試合連続ヒットを打つ」確率は
  0.00011664×0.24×2+0.00011664×0.24^2×96=0.000700959744
 となる。もし,これが「少なくとも33試合連続ヒット」の確率となれば,さらに高くなる。

 そこで,常時出場する選手の数を12球団各9名として,12×9=108(人)が,全て3割打者と仮定(ちょっと有り得ないことだが,計算しやすいように)すれば
 「1シーズン130試合の間にどこかで,108名の選手の誰かが33試合連続ヒットを打つ」確率は
  0.000700959744×108=0.075703652352 となる。

 これにプロ野球がはじまってからの年数を掛ければ,33試合連続ヒットというものが有り得ないものではないことも解る(実際に記録は達成されている)でしょう。また,33試合を越える連続ヒットが生まれる日もさほど遠くないのではないでしょうか。新しいヒーローの出現を心待ちにしたい。
 4割近い打率を残しているオリックスのイチロー選手に期待できますが,来シーズンからアメリカでプレイするとのこと。ところで大リーグでの連続ヒット記録は,ピート・ローズ選手の44試合連続,イチロー選手に大リーグ記録を更新してもらいたいものですね。因みに大リーグは1シーズン160試合,3割打者が1シーズンのどこかかで44試合連続ヒットをする確率は,およそ 0.000041 です! 頑張れイチロー!(2000/10/26)


メニューにもどる