暇つぶしに
数学(?)に挑戦しよう!


πについてまとめた
普通科3年の安倍君のレポートです。


πについて


 円周率πは,円の周や面積の計算にどんどん使われるとても役に立つ数です。それなのに,そのπの値をちゃんと書き表そうとすると,

 3.141592 65358 97932 38462 64338 32795 02884 19716 93993・・・・・

 となって,「・・・・」の後は,いくつでも続いて終わりがありません。それに,

 0.142857 142857 142857 142857 14・・・・

のように「くり返し」(循環小数)にもならないのです。

 このような不思議な数を使いこなすために,ある人たちは,自由に大胆な実験や計算をしました。このレポートはそのπの値を簡単に求める実験や計算についてまとめてみました。

~古代の道具でπを測る場合~

 昔は,私たちが今持っているような便利なコンパスや正確な定規もありませんでした。仮に1本の糸と木切れしかなかったとして,どれくらい正確に測れるかという実験。 
 まず,糸の両面に木切れをくくりつけて地面に円を描き,そしてその糸をそのまま定規の代わりにして円周を測っていきます。糸を円に重ねて糸の長さ(半径)ごとに目印をつけていきます。

 目印は6回付けられて少し余ります。そこで糸を四つ折りにしてその余りにあててみると,かなりよく合います。円周を l(エル),半径を r,余りの長さを d とすると
半径rの円
 今説明したことから

 l(エル)=6r+d
 dは,半径の1/4 に近いので,d≒r/4 と表せます。

 従って, l ≒ 6r+1/4r=2(3+1/8)r となって

 円周を求める式は,l=2πr だから π≒3+1/8=3.125 となる。

 木切れと糸だけでも,これだけ正確に測ることが出来ました。ちなみにこの円周率の求め方は,バビロニア(メソポタミアの古代都市)で使われていたものです。

~自転車の車輪で円周率を測る場合~

 自転車の車輪の半径と進んだ距離で,円周率を測る実験もあります。まず,自転車の車輪の半径を測ります。車輪の半径は,33.1cmでした。
 次に,この自転車の車輪を1ヵ所に目印を付け,1周したら分かるようにしておきます。車輪がちょうど回転するまで直線上を押していきます。そして8回転したところで,その距離を測ります。

 8回転して進んだ距離は,次のようになりました。
 (1回目)16.40m  (2回目)16.44

 これらの平均の16.42mを車輪一回転分に進んだ距離(車輪の円周)lを求めるため8で割り,円周を求めます。 l =205cm

 πは,円周÷直径 で求めることができるので
 π≒円周÷直径=205/(2×33.1)=3.106・・・・ となる。

 そして求まった数の小数第3位を四捨五入し 3.11
 この数も円周率(3.14)にかなり近い数を求めることができた。

 (8回転より,10回転のほうが計算しやすかったかな,反省!)
~五円玉で円周率を測る~

 自転車はおおがかりで大変なので,五円玉を使って円周率を自分で測ってみた。やり方は,五円玉を自転車の車輪にみたて,さきほどと同じように五円玉の直径を測り,5回転させその距離を回転数で割り直径で割るというものです。
五円玉の直径は,2.1cmでした。

5回転して進んだ距離は,次のようになりました。 
(1回目)31.5 (2回目)33.5 
この結果の平均を求め回転数で割り,それを直径で割ります。
 π=3.0952381
 四捨五入して 3.10 

(この測定はあわてたためか,五円玉が滑って少々誤差が大きかったようだ,反省!)

~感想~

 以上の実験からは,せいぜい小数点以下1桁ぐらいしか正しい値を出すことが出来ませんでした。それでも,これだけの単純で簡単な実験だけである程度正確な値を出すことが出来ました。学校では,「πが3.14だよ!」としか教わらず,「どうやって円周率を求めたのか」が気になっていました。今までは,πの値を求めるのは大変難しいことで,自分には出来ないとばかり思っていたけれど実際に調べ,ここまで分かるとは正直思っていなかった。このπの事を調べてまだ知らないところや分からないところはあるけれど,ほんの少しだが数学を考える楽しさが分かったように思える。ちなみに,円周率の近似値値3.14から3月14日が円周率の日,数学の日とのことです。

作成:パソコン同好会(2001/04/13)


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