負の数について調べた
普通科3年の前田さんのレポートを紹介します。
例 | 3冊の本があるとします。5人の人がやって来て,次は10人の人がやって来ました。1人に1冊ずつ配るとしたら,どちらも不足します。しかし,不足の程度が違うのです。5人来たときは2冊足りないし,10人来たときは7冊足りません。 |
この「不足」を表現するために「-」という印をつけて表すと,
3-5=-2
3-10=-7 と書けます。
長い時間が必要でしたが,これは便利だということで,次第にこのような数が一般的に認められるようになってきました。そして,『負の数』と呼ばれるようになりました。
3人来た場合は,本は1冊も残りません。このことを「0」という数字で表して,
3-3=0 と書けます。
この「0」を基準にすると,負の数はそれより小さい数となります。今までごく普通に使ってきた数は0より大きい数となります。そして,負の数に対抗して,『正の数』と呼びます。
※+(+),-(+)の部分は,いつも「+」,「-」になります。これは次の2つの約束をしておくのと同じです。
約束1 |
●+□とは,●よりも□大きいこと。 |
(イ) | ●+(+3) | → | ●より(+3)大きい |
(ロ) | ●+(-3) | → | ●より(-3)大きい |
(ハ) | ●-(+3) | → | ●より(+3)小さい |
(ニ) | ●-(-3) | → | ●より(-3)小さい |
となります。
ここで,次の約束をします。
約束2 | 約束1の表現に直して,さらに数字に「+」,「-」がついている時は,その「+」,「-」をとり,「大きい」とか,「小さい」という表現をします。 「+」がついている時はそのまま(肯定)で,「-」がついている時は反対(否定)の表現にします。 |
(イ) | ●+(+3) | → | ●より3大きい |
(ロ) | ●+(-3) | → | ●より3小さい |
(ハ) | ●-(+3) | → | ●より3小さい |
(ニ) | ●-(-3) | → | ●より3大きい |
となります。
☆(+3)-(+5)だと最初の(+3)は0より(+3)大きい。つまり,3大きいことで,後ろの-(+5)は+3より(+5)小さい。つまり,(+3)より5小さいことです。 これを簡単に書くと,「3-5」のことで,数直線上で説明すると,
0から出発して「右へ3」,さらにその場所から「左へ5」進んだところなのです。
規則 | +(+●)→+● +(-●)→-● -(+●)→-● -(-●)→+● |
◎同符号の場合は「+」,異符号の場合は「-」となるのです。
(感想) | 普段,何も気にせずに計算していますが,今回この様なレポートを書き,よく考えてみると,1つ1つの事にきちんとした意味合いがあるんだなと思いました。 大野栄一さん(作者)は「+」,「-」の計算の規則を, 『プラプラのプラ,プラマイのマイ,マイプラのマイ,マイマイのプラ』 というふうに,自分で考えて作ったそうです。このように,数学を楽しんで考えたり,覚え方を工夫するのも大切だと思いました。 |
作成:パソコン同好会(2001/04/13)