トランプゲームの「ポーカーの役」の確率について
普通科3年の山下君のレポートです。
トランプを使ったカードゲームの中に,ポーカーというゲームがあります。ポーカーはたぶん一番有名と言っていいくらい知名度が高いゲームです。ゲームの内容は,トランプ全体の組み合わせによって役(やく)が出来ます。52枚の中から5枚を取るので 52C5 =2598960 通りの組み合わせの中に10個の役があります。役が高い(確率が低い)方が勝ちというゲームです。なお,「52C5」は「52から5とる組み合わせの総数」を表します。
それでは,10個の役の内容とその確率を紹介していきます。
1.「ロイヤル・フラッシュ」ロイヤル・フラッシュとは,同じカードの種類(クラブ,スペード,ダイヤ,ハート)のエース,キング,クイーン,ジャック,10の組み合わせだから4種類で出来ます。確率を求めるには,トランプ52枚の中から5枚を取るから 52C5 =2598960通りで,ロイヤル・フラッシュは4種類できるので, 4/2598960≒1/650000 「65万分の1」と言われても,解り難いので,例を挙げます。 2.「ストレート・フラッシュ」 同じ種類のカードが順に並んでいる組み合わせです。ただし,ロイヤル・フラッシュは別とします。ストレートというのは1以上から始まって13以下で終わるもので,13から1へとは続けてはいけません。 36/2598960≒1/70000 だから,プロでも1年間に,5万手なのだから1年間に1度出せればラッキーです。 3.「フォー・カード」ここからは,手にする確率が高くなります。フォーカードとは,同じ数のカードが4枚そろった組み合わせです。(例)エース4枚と他のカード1枚という形があります。カードには,13の数の段階があります。それと,他のカード1枚というのは,52枚からフォーカード分を引くので48通り,よって求める確率は 13×48/2598960=624/2598960≒1/4000 となります。 4.「フル・ハウス」フルハウスはスリーカードとワンペアが組み合わさっている形です。上の図は,2のスリーカードと1のワンペアの形です。2が3枚と1が2枚だから, 4C3 × 4C2 =24 という数が求められます。したがって「1と2」でできるフルハウスの数は48通り(2が2枚と1が3枚の場合もあるので)で,数の大きさが違う2つを選ぶ組み合わせは 13C2 だから 確率は 48 ×13C2 /2598960=3744/2598960≒1/700 です。 5.「フラッシュ」5枚のカードが全部同じ種類の組み合わせ。ただし,ロイヤルフラッシュとストレートフラッシュの場合は除きます。スペードのフラッシュの数は,13枚の中から5枚を取る組み合わせだから 13C5 となる。(この場合ロイヤルフラッシュも,ストレートフラッシュも含まれており,後でこの分を引きます) よって,フラッシュの数は 13C5 を4倍して,ロイヤルフラッシュとストレートフラッシュの数を引きます。よって確率は (4×13C5 -40)/2598960=5108/2598960≒1/500 また,組み合わせを使わなくても求められます。1枚目にスペードを撮る確率は13/52で,2枚目もスペードである確率は12/51だから,5枚のスペードを手にする確率は 6.「ストレート」種類に関係なく,5枚のカードが順に続いている組み合わせ,ストレートフラッシュとロイヤルフラッシュの場合を除きます。例えば,2で始まるストレートは4種類の2と,4種類の3,4種類の4などがあるから,2で始まるストレートは4の5乗個出来ます。これにはストレートフラッシュとロイヤルフラッシュが含まれているので後で除きます。よって,4の5乗を10倍(1~10で始まる場合があるから)し,この数からストレートフラッシュとロイヤルフラッシュを引きます。 (45×10-40)/2598960=10200/2598960≒1/250 となります。 ポーカーを始めたばかりの人はフラッシュよりもストレートが難しいと思うかもしれませんが,実際は計算通り,フラッシュのほうが2倍も難しいのです。 7.「スリーカード」同じ数のカードが3枚ある組み合わせです。はじめに2が3枚というパターンを計算します。2を3枚取るのは 4C3 通りあり,他の2枚の場合は 48C2 通りある。カードには13の大きさがあり,フルハウスの場合を引かねばならないから, (4C3×48C2×13-3744)/2598960=54912/2598960≒1/47 となります。 8.「ツー・ペア」同じ数のカード2枚が二組ある組み合わせ。2が2枚と3が2枚というパターンを計算する。2が2枚という組み合わせは, 4C2 通りで,3についても 4C2 通りで,残りの5枚目のカードは2と3以外の44通りである。カードには13の大きさがあり,これから2つを取る組み合わせは 13C2 だから 13C2×4C2×4C2×44/2598960=123552/2598960≒1/21 となります。 9.「ワン・ペア」同じ数のカード2枚ある組み合わせ。はじめの2枚が2が2枚となる組み合わせは 4C2 通り,3枚目が2以外となるのが48通り,4枚目のカードは44通り,5枚目のカードは40通りである。3枚目以降のカードの順序は無視していいので,3!で割らなければいけない。なお,カードには13の大きさがあるから最後に13倍する。 4C2×48×44×40/3!×13/2598960=1098240/2598960≒1/2.4 となります。 10.「ノ-ペア」これはよくある手です。この確率を求めるには,今までの1~9までの確率の和を求めて,1からその和を引けばいいのです。この手が出来てしまったら,負けと思った方がいいでしょう。なぜなら,ワンペアの確率も非常に高いからです。 1302540/2598960≒1/2 |
感想:普段,何も考えずにやっていたゲームですが,確率を求めてみて,出やすい手,出難い手が納得できました。それも簡単な計算で求められるとは驚きでした。 |
作成:熊本国府高等学校パソコン同好会(2001/03/20)
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