Dreams do change don't they.
夢は変わるんですね
マクナマラ・ヘレン (ALT)
 

 
 16年前私は16歳で、私の座ってる教室の窓から緑の野原、雨の暗い空、泥だらけの羊が見えたのを思い出します。ヨークシャー特有の景色を私はとてもいやがっていました。熱帯の島でくらすのが私の16歳の夢だった。ヤシの木、白い砂、日光とエメラルドグリーン色の海。イギリスにない景色を見たいなーと思っていました。でもその夢は実現しないと思っていました・・・。

 ところが4年前私は日本人の夫と0才の娘と3人で沖縄島でくらすことに決めました。やっと私の夢がかないました。けれどもやはり夢と現実はちょっとちがいますよね。

 沖縄で、もちろんヤシの木、白い砂浜、日当たりのよい日と見たことがない海の色がぜんぶありました。でも雨の日も多いし、島はみにくいコンクリートのビルにおおわれているし、その上台風がよく来ました。もっとびっくりすることは沖縄人はほとんど海に行っていないし、泳げない人も多かった。私が夢見ていた島とちがっていたけれども、沖縄に二年間住んでいていっぱい良い思い出を作りました。沖縄のあたたかい人と幸せな気持ちにさせてくれる海は忘れられない経験でした。日本に来る前には日本のことを何も知りませんでした。日本は一つの島と思っていたし、日本人はみんなお金持ちで毎日すしを食べて、着物をよく着て、すもうが一番人気なスポーツでみんないっしょうけんめい働いてるというのが私の日本のイメージでした。

 私の計画は日本に一年間働いてお金を貯めてそのあとアジアにゆっくり旅行するか南アメリカに行くつもりでした。ところが日本の良いところいっぱい見つけました。現在は七年日本に暮らしています。私にとって日本のいいところはきれいな景色、良い天気、温泉、すばらしいレストランと料理、やさしい人と安全で便利な社会、ビールもうまい!イギリスは個人主義的な社会なので、人々は最初に自分のことを考えます。だから簡単に人を信用しません。一方日本は集団的な社会なので、だれでもお互いに直ぐに信じ合うことができます。それだから私にとって生活するのにとてもおだやかなところです。

 7年後の今、私の気持ちは日本人になってきました。最近イギリスに帰った時カルチャーショックがありました。例えばイギリス人はいろんな顔、いろんなかみ、いろんな体の形がありとてもおかしかったです。私は自分を鏡で見る時「あー宇宙人だ!」と思ってしまいます。日本では自動のものが多いですね。だけどイギリスではそうでもありません。だからイギリスでよくドア、蛇口とかは自動と間違えもしました!

 今日本にいてイギリスの良いところがやっと見えます。16の時自分の国の良いところがなかなかわかりませんでした。でも今はあのころいやがっていた景色を今はとても気に入っています。今の夢はいつか夫と娘と息子に私がヨークシャの緑の草、くもりの空と泥だらけの羊を見せてあげることです。きっとかんどうすることと思います。夢は変わるんですね。


 マクナマラ・ヘレン先生が「国府高校便り(KOKUFU NEWS)55号」の原稿として、日本語で書かれたものです。先生は3年間本校で英語を教え、去る3月末にイギリスに帰られました。先生の日本語力もすごいですね。私も英語をもっと頑張らなければ!それも、ヘレン先生が私たちへ伝えたかった「隠されたメッセージ」かも知れませんね。ヘレン先生の思い出を残すために本ページを作成しました。本サイトの別ページに英文「Dreams do change don't they.」も書いていただきましたが、この日本語「夢は変わるんですね」のほうが原文です.。ありがとうございました。先生、いつまでもお元気で!(2004/04/14)


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