熊本国府高等学校


将来への計画と課題

 機器設備面では、現在のインターネットのクライアントマシンは、本プロジェクトで提供された第1パソコン教室の1台と、本校で接続した第2パソコン教室の8台、職員室の2台、パソコン研究室の1台の合計11台が設置されています。しかし、これだけでは一斉授業での利用ができないばかりではなく、生徒数1600に比較しても絶対数が不足しています。まずは第2パソコン教室の40台や図書室、理科室などの特別教室に増設することを当面の目標としたいと考えております。また、回線設備のアナログ3.4khz専用回線の28000bpsを、将来は少なくともデジタル専用回線128Kbps以上のものに増強したいものです。また、公衆電話回線を利用して、自宅など校外からのアクセスが可能となるようにとも考えています。なお、現在の第1パソコン教室も、少なくとも1〜2年後には新機種の導入が必要となってくると思いますので、併せて各種インターネット機器設備の更新も考えていきたいものです。またCu−SeeMe利用の為のビデオカメラ等の購入は早急にと考えています。

 活用面においては、パソコン同好会など一部のクラブ活動中心から、情報処理・商業の専門教科はおろか普通科を含めた広範囲の教科での利用促進と、不登校生徒指導などをはじめとする生徒指導への積極的利用拡大を押し進めていきたいものです。幸いにも、本校の第3次のコンピュータプロジェクトのインターネット活用部会にはほとんどの教科の職員が含まれており、実現は難しくはないものと考えています。残念なことに、このプロジェクトチームの発表が、年度途中(平成8年9月)にずれ込んでしまい、各校務分掌との兼ね合いで、今一歩動きが鈍い状態ですが、新学期が始まる平成9年4月からは、スムーズな活動が期待できます。若い生徒たちにとって、興味と関心は、黒板やチョークなどより新しいメディアにあることでしょう。生徒たちのほうがインターネットを待っているのです。その期待に応えることは、私たち教師の義務と責任かも知れません。

 生徒たちが、自ら企画し、情報を収集し、編集構成し、発信するといった、より積極的・能動的な情報活用能力を育成に最も適したメディアがインターネットだと言ってもよいかも知れません。膨大な情報の中から本当に必要な情報を見つけ出すと共に、人々が興味・関心を持ちそうな情報を自分たちの手で、解りやすくまとめて発信するという課程で、情報活用能力が確実に育成されます。WWWページで身近な情報を発信することは、その最適な教材と言えましょう。その為にも、文字ばかりか、映像、音声をも含めたマルチメディアのインターネットサービスが利用可能となるよう期待します。また今後の学校現場では、最新のハード・ソフト整備は当然ですが、最新のコンピュータ技術を自ら率先して取得しようとするような人材の確保が何よりも重要だと考えます。

 インターネット関連の日常的な作業は実に多く、このプロジェクトが始まるや、日々の勤務時間は12時間を超える程。今後克服せねばならぬ問題が多数あります。ハード、ソフトや通信コスト等の問題も大ですが、利用する側の問題、特に教師の積極的な取り組みが必要です。教育現場には、生徒指導上の多くの問題を抱え、教師の時間的・精神的余裕を奪っている面があります。コンピュータ活用によって時間的余裕が作れるものならよいのですが、担当教師の加重負担だけが目立っています。学校へのコンピュータ導入にあたっては、単にハードやソフトだけを持ってくるのではなく、教師以外に機器保守管理等の専門的なサポーターの必要性を強く訴えたいと思います。もちろん、インターネットをはじめとするコンピュータ教育の必要性を強く望んでいることには変わりはありません。

(研究紀要原稿より)


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