しし座流星群 アメリカ遠征観測報告 | |||||||||||||
2002.12.31 更新 | |||||||||||||
私が観測した場所は、アメリカ・アリゾナ州 FLAGSTAFF(フラッグスタッフ)郊外のWINSLOW(ウィンスロー)付近です。宿泊先であるWINSLOWのホテルから30分ほど車で走ったところにある砂漠で流星の観測をしました。そこは、360°地平線が見回せる広大な大平原です。 砂漠とはいえ、標高が2,300mほどあるらしく、夜間の冷え込みは想像を絶するものでした。あまりに寒くて観測に集中できないほどの寒さでした。内陸性のため、一日の気温変動が大きく、夜が更けるにつれてすごい勢いで気温が下がっていくのです。観測地に到着した午後11時頃はプラスの気温だったのが、流星観測を終える夜明け頃には−5℃以下にまで下がっていたと思われます。このため、今年のアメリカでのしし群観測は極寒との戦いでした。冷え性の私にとっては、寒さよりも指先の激痛が本当に辛かったです。 |
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フラッグスタッフ泣かないで | |||||||||||||
流星出現は、予想より小規模だった 去年2001年のしし座流星群は、日本で流星が雨のように降り注ぎ、素晴らしい大出現となりました。その数は、1時間あたり約3,000個も出現したのです。 今年のアメリカのしし群では、そんな去年の日本の大出現をさらに上回る規模になるだろうと言われていたことから、私はアメリカへ見に行かずにはいられなくなったのです。 だというのに、実際の今年のアメリカでの出現は予想されていた数の半分程度しか出現しませんでした。しかもどの流星も暗く、見応えがなかったです。私が見た感じでは、ピーク時に3〜4秒に1個の割合で流星が出現していました。また、去年の大出現と同様に出現には固まりがあって、2〜3個の流星が同時に出現したり、一時的に全く出なくなったりなど、出現頻度は短時間でランダムに変化していました。 去年は大出現の継続時間が長く、放射点が昇って夜が明けるまで「流星雨」が続いていましたが、今年のアメリカの場合はかなりピークが鋭かったです。つまり、大出現の継続時間が短く、「流星雨」と呼べる状態はせいぜい出現ピーク(10:47UT)を挟んだ前後30分間しか続きませんでした。 いずれにせよ、「雨のように降る流星の雨」が見られることを期待していた我々アメリカ遠征隊にとっては、あまりにがっかりするショボさでした。 |
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2001年のしし座流星雨では数え切れないほどたくさんの流星を写し込むことができましたが、今年は悲劇のカメラトラブルに見舞われ、ほとんど撮影できませんでした。ご覧の通り、どの流星も非常に淡く、2001年の流星写真と比べるとあまりに情けない結果となってしまいました。流星部分だけをトリミングして強めに画像処理をかけないと写った流星が判らないほど、今年のしし群写真はショボいものばかりでした。 まぁ、流星の出現自体がショボかったんだし、写りにくい暗い流星がほとんどで、しかも満月の月明かりの中での撮影だったわけですから、多少は仕方ないと諦めが付いています。とはいえ、上のどの写真も出現ピーク時刻のずっと前に撮影したものなので、ピーク時刻に撮影してさえいればもっと鮮明な流星写真がたくさん撮れたはずです。そんなわけで、出現ピークの到来を前に撮影を途中放棄してしまった自分にも責任があるといえます。 |
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